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三十六躍 確認するときは下も上も見ること ページ35

学校を休んで…というか行かなくなって数日が過ぎた。リビングのソファーに寝そべる未だほとんど不登校状態のまた子は吹き抜け式の天井を見上げながら深くため息を吐いた。

彼女は悩んでいた。高杉も見つかったことだし、もう彼女が休む根本的な理由は無いのだ。だが、しかしどうしても学校に行くことに胸の奥からフツフツと抵抗心が湧いてくるのだ。

彼女の悩みとは高杉の側に自分がいる資格があるのかという事だ。
彼女は休んでいる間、ずっと考えていた。高杉が一日とはいえ姿を消した理由、彼から見た自分の存在、そしてまた彼の側にいて良いのか悪いのか……。

「…晋助様に会いたいはずなのに……、会いたくない…」

そんな意味不明な感情が胸中で渦巻き、どうしたら良いのか分からないのだ。

今頃彼は元気で学校に通えている。なら、もうそれだけで良い気がした。自分にとって、あの人にとって一番重要な事はそんな当たり前の日常。日頃追いかけ回している誰かさんが居なくなったって彼からしたら喜ばしい事だろう。

「晋助様の側にいる私が嫌になったなら…、いっそこのままの方が…」

ピンポーーーーン

と、突如自宅のインターホンがまた子の言葉を遮り、彼女しか居ない家に妙にこだまする。

「誰だろう…?」

疑問に思いながらゆっくりと立ち上がるとフロントの床をパタパタと小走りする。
玄関の鍵を解除するとピタッと扉に密着しながら開く。

「あの、どちら様って……アレ?誰もいない?」

しかし扉の前に誰の姿もなく、奥の塀の向こうの笹がただサラサラと揺れていた。
誰もいない様だし、そのまま扉を閉めようとするといきなりありえない場所からありえない人物の声が聞こえた。

「…オイ、テメェ。……ハァ、人が走って来てやったってのに…ハァ、そのまま閉めようとすんじゃねェ…ハァ…」

その声は足元から聞こえてきたのだ。声を辿る様にゆっくり視線を落とすと、床にしゃがみ込んで俯きながら息を整える大好きな想い人がそこにいた。

「……え、…し、…晋助、様……」

また子はただ呆然と彼を見下ろした。何故彼が此処にいるのだろう。何故自分の家の前で息を整えてしゃがんでいるのだろう。

そんな疑問をただひたすら頭で幾度も繰り返しながら立ち竦んでいると、彼は焦れたのか彼女を通り抜け家に上がり込んだ。その事にやっと気がついたまた子はハッとすると慌てて彼の後を追う。

「あの、晋助様…どうして?」

「お前がいつまでも来ねェからだろ!!」

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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます!『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです!!これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです!沖田と神楽の所が特に面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:交差点プリン | 作成日時:2017年3月31日 18時

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