第七十四話 ページ26
「サンジくんっ…！」
怖さのあまり涙が出てきて、私はぐちゃぐちゃな顔になりながらサンジくんを止めようとした
サンジ｢…！ご、ごめん……！｣
手を離し、距離を置かれる
私のあんまりな泣き顔に驚いたのか、サンジくんはすぐ正気を取り戻した
サンジ「Aちゃんごめん…泣かせるつもりなんて…」
俺はなんてことをしてしまったんだと言いながら、サンジくんは自分の頭を殴った
「や、やめてよサンジくん…！」
サンジ「…俺もさっきのトラ男と変わらねェじゃねぇか…」
「サンジくん……」
サンジ「きっとトラ男もこんな気持ちだったんだろ…なんか、Aちゃんを見ていると胸がきゅっとなるんだ」
「……」
サンジ「ただの好きだったら、それだけで終わるのに…それと同時に、他の野郎がAちゃんと話していたり、触れているのを見ていると殺意に似た黒い感情がフツフツと湧いてくるんだ…誰にも渡したくない、この子は俺のモノなんだって……！！」
拳に力が入り、手が震える
せっかくピシッと決まっているスーツはしわくちゃになっていた
サンジ「ごめん、優しくするって決めてたのに…最も愛しているレディに対してこんな力任せなことするなんて…俺は男失格だ」
「…サンジくんは、本当に優しいよ…自分を責めないで…悪いのは私なの」
サンジ「…いいかAちゃん」
「え…？」
サンジ「俺が本当に優しかろうが、レディを泣かせるのは男のやることじゃねぇ…女を泣かせる男は死んで償わないといけねェくらいだ」
「し、死んじゃうの……？」
サンジ「本来はクソジジイと一緒にな」
「だ、ダメだよ……？」
サンジ「分かってる、自分が死ぬ思いしてるのに、他の人が死ぬところなんて見たくないよな？」
「うん、」
サンジ「ちょっと、気持ちが焦りすぎたのかもな」
私の頭を優しく撫でながら苦笑いを浮かべ、タバコに火をつける
サンジ「Aちゃんには旦那さんが居るし、俺は本来お役御免って所なのにな」
「……それは、ちがうよ…？」
サンジ「でも、Aちゃんは旦那さんを探してるんだよね？」
「……もういいの、私、ずっとこの世界にいるから…旦那は死んだの」
サンジ「えっ……」
私の諦めた顔を見るなり、サンジくんは火をつけたばかりのタバコをポロッと落とした
サンジ「おわ！？あっちぃ！…一体どういう事だ？」
私は、ロー様の時と同じように、サンジくんに自分がこの世界に来た経緯を話した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
( ???)(プロフ) - さやだよぉぉぉぉさん» コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！サンジとロー様ほんとかっこいいですよね！大好きです…！何度も読み返して頂けるなんて嬉しい限りです！！感謝の気持ちでいっぱいです！ (2022年9月30日 0時) (
レス) id: 53ae6225ed (このIDを非表示/違反報告)
さやだよぉぉぉぉ - ものすごくおもしろいと思います!!サンジとローが推しでして…私はめっちゃ嬉しいです!!何度でも読み返します!! (2022年9月29日 22時) (レス) @page50 id: 0a3e9ffe82 (このIDを非表示/違反報告)
( ???)(プロフ) - ゆちゃぷさん» ゆちゃぷさんコメントありがとうございます！完全に殴り書きでしたが…！そんなに褒めていただけると書ききった甲斐があります(土下座)また何か妄想が浮かび上がったら書きたいと思いますのでよろしくお願いします！！！ (2022年9月22日 19時) (レス) id: 53ae6225ed (このIDを非表示/違反報告)
ゆちゃぷ(プロフ) - すごく面白かったです！更新のペースも早くて、毎日楽しみにしちゃってました！最終話ってなると名残惜しいですが、話もごちゃごちゃしてなくて読みやすくて何よりほんとに面白かったです。 (2022年9月22日 18時) (レス) @page50 id: 724eb0f2d5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(´・ω・｀) | 作成日時：2022年9月14日 9時
