黄色い花束を君に・ARS【３】 (ページ15)

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朝一番の小鳥が鳴こうとした時、家の扉を開ける。

小鳥を驚かさないように静かに畑に向かう、
朝露で柔らかくなった新芽が必要な薬があるからだ。

休息は取るようにと言われているが、必要なのは必要なのだ。朝日が照りつける前に収穫せねば。

勢い込んでカゴを持ち上げようとしたら、カゴが浮き上がる。
よく見ると花ちゃんの一人がカゴを持ち上げて、残りの子達が「どれとるの？」と聞くように私を見て首を傾げてる。

後ろを見ると、あくびをした和也さん。

「朝イチから収穫するなら、言ってよ。花達を呼ぶんだから。
花もイツカイツカと待ち遠しそうに聞いてくるし。

昨日から呼んどいたらよかった。」

フロムは朝ごはん作ってるよ。と家を指差す。

「この三日はソル(大地の精霊)とフォンティーヌ(水の精霊)も手伝うってさ。」

ソルさんが調合の道具を運んでくれてる。

ソルさんまで！！私は感極まってソルさんのところまで走って行って勢いよく頭を下げた。

『戦いの前に、重労働をさせてしまって申し訳ありません。

ありがとうございます。

本当に助かります。』

深々と頭を下げ続ける私に、「ええんじゃよ。ワシらの為になることじゃし、ええ準備運動になるさ。
こっちこそ薬を作ってくれるんじゃからな。」

と言って、頭を優しくなでてくれた。

「お主もやるんじゃよ。」

和也さんを促してると、ちょっと不服そうにしつつも薬草摘みをはじめた。