紅蓮飛行・ＡＲＳ【４】 (ページ2)

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『ちょっとペンダントのことで聞きたくて。これって和くんと翔さんしか外せないって言ってたけど、ペンチで切るなら切れるのかな？って。』

「どうして、そんなこと今さら聞いてくるの？」

和くんの瞳は私をとらえて話さない。細かな動きも見逃さないよにしているみたい。

『たまたま、着替えるときにひっかかって首に擦り傷つけちゃったから。その時、クスリ塗りながらペンチで切れるかな～って思ったんだ。別に今取りたいって訳じゃないけど。』

少し茶化しながら答える。

「ふ～～～～～～～～ん。でも、特殊な金属使ってるから、家庭用のペンチじゃ切れないよ。」

『そうなんだ。そうそう、この間頼んでいたの今もらっていい？』

何か腑に落ちない表情をしながらも、機械の山からごそごそと探し出し私の手に乗せてくれたのはペンダントを無効にする機械。

少し前にメールで和くんにお願いしていたのだ。
【友達と女子会したいから、恥ずかしいし３時間ぐらいペンダントを無効にしてほしい。】

ブラストのことは話しないことを確約し、作ってもらった機械を私は包むように両手で持つ。

『和くんありがとう。』

頭をさげると、「このぐらい朝飯前だから。」となんでもないように答えてくれた。

「女子会って、葵ちゃんとでしょ？いつやるの？」

『明後日。素敵なダイニングバーを見つけたの。それ以上はないしょです。』

「ナイショって言うところが可愛いんだよな。」と小さく呟くと

「飲み過ぎて、つぶれないように。翔さんいないんだから、俺が迎えに行くよ。」

ちゃかしながらも、顔は真剣だった。

『過保護だなぁ。一人で帰れるから大丈夫。

和くんには感謝してる。私が緊張しているのに気付いて、これを作ってくれた。

機械に夢中なふりをしてても、人をとても大事にしている和くんは素敵な人だよ。

私のことは、もう気にしないで。

自分のことは自分でできるから。』

その後はたわいのない話をして、部屋を出た。

その後ろ姿を和くんはじっと見ていたけれど私は振り向かず地下室から出て行った。