第八話 人間なんてそんな物 ページ9
プルルルル＿＿＿＿
その場に似つかわしく無い音が鳴る。
其れは隊室のテーブルに置かれた風間の携帯電話だった。
「林藤・・・・・玉狛の林藤支部長ですか？」
「嗚呼 其のようだな・・・・・」
風間は表情を大して変えること無く電話に出た。
「はい 風間です
はい はい＿＿＿＿
しかし護衛すると云う任務が＿＿＿
はい 判りました 失礼します」
風間は電話を切り菊地原と歌川に視線を移す。
「トリガー
風間のその言葉と共に換装は解ける。
菊地原と歌川は状況を理解出来ずに頸を傾げていた。
「菊地原 歌川」
深緑色のダウンジャケットを羽織った風間は二人を一瞥すると隊室の扉を開ける。
「上層部から緊急で呼び出しが入った 悪いが俺は
会議に出席する
護衛の任務はお前らに任せた しっかり頼むぞ」
そう云い残して風間は部屋から一歩踏み出す。
機械音と共に閉められた扉、歌川と菊地原は其れを無言で見つめた後顔を見合わせた。
「風間さん無し か・・・・・」
「ねぇ ぼくもう帰って善い・・・？」
.
.
.
無機質な床を黒いヒールで歩けばコッコッコッと軽い音が響く。
肩迄の銀髪が歩く度にふわりと舞い、金木犀の香りが辺りに香った。
「誰だあれ？」
「綺麗な人だなー」
「一緒にいるのって唐沢さんだよな」
そんな声が聞こえる。
其の中を颯爽と歩く淳は格好の的だった。
「い 石川さぁーん・・・」
情けない声を出しながら慣れない場所を歩く敦はまるで親鳥に着いて行く雛鳥のようだった。
『落ち着いてください敦さん
周りの目が気になるのですか？』
ふわりと笑みを浮かべ乍ら訊く彼女に敦は「あまり慣れていないんです 大勢に見られるのは」と冷や汗を流しながら云う。
『成程 そう云うことですか』
少し考えるような素振りを見せた後、彼女は『判りました』と手を打って敦に云う。
『敦さん！周りにいる人間は凡て動物だと思ってく
ださい
犬に猫に兎に猿！其れなら大丈夫でしょう？』
着目点が少し違うような気もするが仕方無く其れに従うしか無かった。
彼女の背を追いながら敦は周りを見渡す。
矢っ張り僕には無理だ。
「此処です」
唐沢の声がして、くるりと淳は振り返った。
『善いですか？敦さん
笑みは絶やさず行きましょう』
絶対無理。
其の言葉は胸の中に留まった。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (
レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ｳｫｫｫ！続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい！ (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨雫 | 作成日時：2017年2月24日 23時
