第二十六話 太宰の行方 ページ27
ボーダー本部に着いて一時間。
迅から好きに調べて良いと許可を貰った淳は昨日の部屋で何か証拠は無いかと調べていた。
『壁に破壊した痕は無し・・・防犯カメラは?
見るからに無さそうですね・・・・・』
キョロキョロと部屋の中を見渡す中、一つの音が彼女の捜査を中断させる。
プルルルル____
カーディガンの
携帯を取り出し、
真逆と目を疑ったが自分の目に間違いは無く、淳は恐る恐る通話釦をタップする。
『・・・・・もしも
「もしもし!淳かい!?」
淳の言葉を遮り電話に出たのは間違い無くあの包帯無駄遣い装置だ。
と云うか淳の携帯に電話を掛けて「淳かい!?」は無いだろう。
『そうですけど・・・貴方今何処にいるんですか
時間に為ってもこないし心配してたんですよ?』
電話の向こうでは太宰と誰か別の人物の声が聞こえた。
しかも聞いた覚えの或る声。
「いやね
此の街に心中してくれる美人がいないかと探して
いたのだけれど何時の間にか人一人いない場所迄
きてしまって・・・・・
で 目の前に白くてバカでかい珍妙な生物がいたも
のだから吃驚してしまってね」
つらつらと太宰が言葉を連ねているが今何処にいるのか一向に話してくれない。
しかし太宰の言葉に少し引っ掛かる処が有り淳は『太宰君』と口を開いた。
『太宰君 真逆とは思いますけど"警戒区域"には入っ
てませんよね』
"人一人いない"、"目の前に白くてバカでかい珍妙な生物"
其の言葉に淳は厭な予感がしていた。
此処三門市で人が一人もいなく、尚且つ太宰の云う白くてバカでかい珍妙な生物が出る場所は限られている。
そう、警戒区域だ。
淳の淡い期待を裏切るように電話の向こうでは太宰が呑気に「そう云えばそんな看板が有ったような・・・」と云う。
成程。
だとしたら彼が行き着く先は一つしか無い。
『だとしたら・・・貴方が今いるのは城戸様の前で
すね?』
溜息混じりにそう云えば「そうそう!」と返事が返ってくる。
はぁ、と溜息をつく。物凄く疲れた、精神的に。
『・・・今から迎えに行きます
絶対に失礼な事をしないでくださいね』
「判ってるよ」そう返事が返ってきたが不安は積もるばかりだった。
第二十七話 三輪と銀髪さん→←第二十五話 其の優しさが___
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時