第四十一話 作戦決行 ページ42
『"魔人"ドストエフスキー』
其の名を聞き淳は戦慄していた。
彼の恐ろしさを彼女は知っているのだ。
お陰で太宰から其の名を聞いて二日経ったにも関わらず未だに彼女の中には恐怖が根付いていた___
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『・・・賢治さん
準備は宜しいですか?』
イヤホン型の通信機から「はい!」と云う元気な賢治の声が聞こえた。
ランク戦ブースの手すりを掴み、下を見下ろし乍ら淳は笑みを浮かべる。
ランク戦ブースのソファーに賢治は腰掛けていた。
彼の特徴で或るあのオーバーオールは消え、今は何処にでも有るで或ろうジーンズに水色のパーカーと云う格好。
ちなみに麦わら帽子は健在だ。
「でも本当にくるんですかね」
羽のような金髪をゆらりと揺らし乍ら彼は訊く。
『大丈夫です』
淳は辺りを見渡し、口角を上げる。
『賢治さんはアレをお願いします
「はい!」
賢治の返事を聞き、淳は行動に移した。
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コツコツコツ____
男物の革靴が音を立てる。
『あ 忍田様』
淳は花が綻ぶような笑みを浮かべ忍田に駆け寄った。
忍田は「嗚呼 武装探偵社の」と立ち止まり微かに笑みを浮かべる。
「私に何か用でも?」
忍田は訊いた。
『ええ』淳はにこりと笑い言葉を発した。
『
証拠も掴めそうです』
「!そうですか それは助かります!」
忍田は安心したように表情を柔らかくした。
『では行きましょう』
彼女の瞳が一瞬、暗闇に落ちた。
然し忍田は其れに気付かない。
コツコツとヒールを鳴らし乍ら、淳は密かに自分のカーディガンの袖に手を忍ばせた。
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辿り着いたのはランク戦ブース。
ランク戦ブースの出入口ではボーダー隊員たちが困惑の表情を浮かべていた。
「あ 忍田さん」
同じくランク戦ブースにいた迅が声を掛ける。
忍田は少し呆けたような表情をした後、「あぁ 迅か」と迅を見て云った。
「此れは何の騒ぎだ」
忍田はボーダー隊員たちを掻き分けつつ、迅に訊く。
「何か 今回の件の犯人が捕まったみたいで___」
迅の言葉は其処で途切れる。
「迅・・・・・?」
忍田は不信に思い後ろを振り向いた。
迅は笑みを浮かべる訳でも無く、只々忍田を睨み付ける。
何かが可笑しい。
そう考えた時にはもう遅かった。
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時