第三十一話 四年半前___ ページ32
其れは約四年と半年前の事。
後の第一次大規模侵攻と呼ばれる大きな侵攻を予見していた旧ボーダーは秘密裏に協力を得ようと動き回っていた。
当時の城戸が目を付けたのは三門から少し離れた位置に存在する街『ヨコハマ』。
此の街には彼の旧友が住んでいる筈なのだ。
其の旧友は旧ボーダーの設立に関わり、設立した後も偶に
と云っても其の旧友は数年前、急に行方を暗ましてしまっていた。
彼の行方を探し、あわよくば
電車を乗り継ぎ、着いたヨコハマの地は三門とは何処かが違っていた。
其れが何なのか、城戸は薄々理解している。
太陽の眩しい光に目を細め、遠くに見えるのは此の街の何処からでも見えるであろう大きな建物。
其の建物の数々はポートマフィアのビルで或る。
此の街は"魔都"とも呼ばれていて、ヨコハマの殺/し屋は他の街の者たちよりも群を抜いて危険性が高いらしい。
城戸自体此の街に来るのは初めてで、慣れない街を歩いていた。
煉瓦で造られた建物やきらきらと輝く海を眺める事の出来る港に足を運ぶ。
其のとても綺麗な街並みに城戸は目を細める。
美しい街だ___。
右眉の辺りにできた傷跡に少し触れ、彼はそう心の中から思った。
何時も表情を崩さない城戸だが、彼だって人の子だ。
美味しい料理を食べれば美味しいと感じるし、美しい景色を見れば美しいと感じる。
元より昔の彼はとても表情の豊かな男だったのだ。
照り付ける太陽を恨めしく睨み付ける。
彼の頬を汗が伝っていた。
此の暑さの中スーツは堪える・・・・・。
腕時計で時間を確認し、まだ時間が充分に有る事を確認する。
「彼は・・・何処にいるのだろうか」
ぽつりと彼は云う。
其の時、耳を突く程の大きさで爆発音が聞こえた。
音に反応し後ろを振り向けば此処からも見えるビルから黒煙が昇っている。
人々の叫び声、写真を徐に撮る外国人。
目の前が暗くなる。
此の爆発の規模、人命は失われていないだろうか?
脳裏にチラつくのは旧ボーダーとして或る戦いで命を落とした子供たち__そして迅 悠一の師で在る最上の姿。
無意識に拳を握っていた。
彼の爪は手の平の皮膚を突き破り、真紅の血を流した。
嗚呼、忌々しい_____。
気が付けば、彼の足は黒煙の昇るビルへ足早に向かっていた。
第三十二話 其の正体は__ *挿絵有り→←第三十話 二つの名
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RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ウォォォ!続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい! (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨雫 | 作成日時:2017年2月24日 23時