EP2 好きだと言って ページ9
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阿部は目黒と一緒に会館に来ていた。
両手にしっかりと大事そうに持つ阿部のチケット。その姿を見て目黒は微笑んだ。
「星、何が好きなんですか？」
「んーと、星座はさそり座が好きです！心臓の部分が赤く光ってて.....ぁ、これ、カッコいいでしょ？」
「ホントだ。」
阿部はパンフに丁度載っていたさそり座を指さした。
外は暑かった。春終わりとはいえもう六月。
プラネタリウムの中は涼しくて、背もたれに背中をつけると自動的に身体が横たわる椅子に、久しぶりだと少しはしゃいだ。目黒はそんな阿部を見て笑っていた。
「あー、面白かった。最近は物語性があるんですね。」
「俺、プラネタリウム初めてでした。面白かったなあ。」
「ホントですか？よかった、......昔は淡々と星の種類を説明してく感じだったんですよ。それも好きだったな。連れてきてくれた父は爆睡でしたけどw」
「それは俺も寝ちゃうなw」
2人で笑い合って、目黒がリサーチしていたお洒落なカフェに入った。昼はもうとっくに過ぎていて、客はほとんど居なかった。
「あれ、雨......どうします？」
「傘、持ってきてないしな。」
阿部が寄りたいと言った古い書店に足を運んで、出ると雨がパラパラと降っていた。
少し都会の外れた田舎町。コンビニは見渡してもなかった。
6月なら気候が変動するのはよくあることなのに、今日の朝急いで出てきてしまったから、阿部のカバンには折りたたみ傘はない。
「俺、少し見てきます。」
「え？」
「スーパーとか、あるかもしれないし。」
「ぁ、」
阿部は羽織っていたジャケットを傘がわりにして走り出そうとする目黒の腕を取った。
「いいですよ、それなら2人で濡れて帰りましょ？」
「......っ、」
「駅までだし、ね？」
目黒は持っていたジャケットを阿部にも被せて歩き出した。トクトクと高鳴る心臓の音が阿部に届かないように雨音が隠してくれている気がした。
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にゃん(プロフ) - dtab担さん» コメントありがとうございます！頑張ります、更新ゆっくりですが最後まで楽しんでいただけると嬉しいです(T . T) (2022年11月24日 9時) (
レス) id: d8a81e8bcd (このIDを非表示/違反報告)
dtab担 - お話大好きです！ふかあべのペアが大好きなので嬉しいです！更新待ってます！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page25 id: 2b0f5d8a84 (このIDを非表示/違反報告)
Myuuu(プロフ) - めめあべ なべあべ ふかあべ (2021年12月10日 14時) (レス) id: 39d780231e (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - 切ない…ふっかさん…！！😭 (2021年12月6日 9時) (レス) @page8 id: 4c17d9f925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2021年12月5日 14時
