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「ふっか、」
「起きた？眠い？」
「なんで」
「舘さんに呼ばれた。阿部ちゃんの緊急事態なら行かなきゃって思ってさ。」
久しぶりに見たよ、その困ったような、おれを心配するような、そんな顔。
手は繋ぎ慣れた細い指に絡まれていて、その手にしがみついてる俺の手。涙が出そうなくらい心があったかくなったのを感じた。
さっきまで張っていた糸が緩んだみたいに、右目からとうとう涙が流れる。ずっと我慢してたみたいに、ほろほろと滑り台のように流れ落ちるから、深澤は焦ったようでドタバタと動き出した。
四方八方に目が動くふっかが面白くて、ゆったり微笑んだ。
「なぁ、大丈夫なの？」久しぶりのふっかの声、あったかくて包み込まれている気分になる。低くて耳に自然と入ってくる声。
一刻も早くこの状況から逃げ出して、深澤の胸に飛び込みたいくらいだ。
.....そんな不埒な考えがふと頭に浮かんだが、同時に目黒の顔も浮かんだ。自分を大切にしてくれる笑った目黒の顔だ。
自分が優先するべき人は、今は蓮だ、蓮しかあり得ない。
急いで流れた涙を拭きとり、繋いでた手を解く。深澤は驚いた顔で見つめて、布団を剥ぎ身体を動かそうとすると、どうしたの？と身体を止めた。
「俺、店出なきゃ、」
「舘さん、今日はもう休めって。」
「でも、」
「いいから、横になって。な？」
深澤の低くて優しい声が、ガンガンと痛みで揺れる頭にはちょうど良い。
「今日はさ、休みなよ。阿部ちゃん頑張りすぎ。」
簡単に体が捕まったから相当疲れてたんだろう。黒い隈を親指でなぞると、深澤は優しく頭を撫でた。なんだか本当に懐かしい。
少しの間だけだから、許して。
ふっかに頼りたくなって、ベッドに逆戻りしてまた目を瞑った。ふわふわであったかくて、体が宙に浮いているようで。
深澤の手が繋がれていたが、意識を手放すその瞬間、さっきまでそこにあった気配が突然無くなり、手を伸ばした。
「.....どうした？」
掴んだシャツの裾。深澤は振り向いた。
「どこいくの、」
「舘さんに言ってこようと思って」
「......帰ってくる？」
「うん、帰ってくるよ」
「じゃあ、寝ないで待ってるから、早く行って来て」
「わかった。マッハで帰ってくるから。」
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にゃん(プロフ) - dtab担さん» コメントありがとうございます！頑張ります、更新ゆっくりですが最後まで楽しんでいただけると嬉しいです(T . T) (2022年11月24日 9時) (
レス) id: d8a81e8bcd (このIDを非表示/違反報告)
dtab担 - お話大好きです！ふかあべのペアが大好きなので嬉しいです！更新待ってます！ (2022年10月7日 20時) (レス) @page25 id: 2b0f5d8a84 (このIDを非表示/違反報告)
Myuuu(プロフ) - めめあべ なべあべ ふかあべ (2021年12月10日 14時) (レス) id: 39d780231e (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - 切ない…ふっかさん…！！😭 (2021年12月6日 9時) (レス) @page8 id: 4c17d9f925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2021年12月5日 14時
