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今日は宮舘のカフェに高校時代の友達、佐久間が来る。
ウキウキして宮舘にもまだギクシャクしてる渡辺にも告げた。はしゃぐな、とケチつけられたけど阿部は楽しみだった。
久しぶりの再会、胸を高鳴らせて今か今かと待ちぼうけていた。
目黒がまだいる店内で佐久間は訪れた。
「阿部ちゃん!」
「佐久間、久しぶり!」
佐久間と呼ばれた男に抱きついたのを見た瞬間、目黒はとんでもない嫉妬心に襲われた。
阿部のただの友達だと説明されたからには口を出すわけには行かない。だが、阿部の見たことない表情に心が締め付けられて逃げるように去った。
会計もいつもなら阿部がかけてきてくれるのだが、佐久間と話し込む阿部は一つも気づかず、相手は無愛想な渡辺だった
家に帰っても、思い出す阿部の笑顔。自分は出会ってから時間が経っていないのだから、阿部の全てを知ってるわけでもない。そうやって納得させようと思ったが、自分の気持ちは抑え切れなかった。
我慢しきれずに電話を入れた。ワンコール、ツーコール、阿部は出ずにまたもう一本と入れる。阿部の声が聞きたい。好きだと言って欲しい。
自分の欲を悟った時、胃の中がせり上がり吐き気がした。
「れん!ただいま!」
ちょうど思考が悪循環に陥っている頃、阿部は帰ってきた。自分の前では酒を控える阿部が。ヘロヘロに酔った唇は、俺相手でも止まらない。佐久間の話、高校の時の話。そして深澤のことをおぼつかない口取りで喋った。
自分が胸を締め付けられ苦しんでいる間に、どんだけ楽しい思いをしてきたのか、自分自身を止める理性はもうなかった。
「れん?」
「.....お風呂行こ。」
「うん?」
目黒の言うことを素直に聞く酔っ払いの阿部に、服を脱がさせて一緒に湯船に浸かった。酒で真っ赤に染まった頬がさらに赤く染まり、目黒は魂胆がバレないように細い身体を優しく抱きしめながら、ソコに手を伸ばした。
酒のせいで思考は止まっていたから抵抗する術もなく、阿部は抱かれてしまった。2人の初めての夜だった。
朝起きて、阿部は何が何だか分からずにもごめんと謝るともう俺の知らない亮平のことは聞きたくない、と涙を流す目黒がいた。
目の周りを赤くして泣く目黒はいつもの妙に大人びた目黒とは違って子供っぽくて、可愛かった。可愛くて、腕の中に閉じ込めて優しく大きな背中をさすった。
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にゃん(プロフ) - dtab担さん» コメントありがとうございます!頑張ります、更新ゆっくりですが最後まで楽しんでいただけると嬉しいです(T . T) (2022年11月24日 9時) (レス) id: d8a81e8bcd (このIDを非表示/違反報告)
dtab担 - お話大好きです!ふかあべのペアが大好きなので嬉しいです!更新待ってます! (2022年10月7日 20時) (レス) @page25 id: 2b0f5d8a84 (このIDを非表示/違反報告)
Myuuu(プロフ) - めめあべ なべあべ ふかあべ (2021年12月10日 14時) (レス) id: 39d780231e (このIDを非表示/違反報告)
佐藤(プロフ) - 切ない…ふっかさん…!!😭 (2021年12月6日 9時) (レス) @page8 id: 4c17d9f925 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん | 作成日時:2021年12月5日 14時