【文スト】常連客の事情【江戸川乱歩】

見せてよ ページ2

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＿＿＿＿何描いてるの？



「･････････へっ」



一瞬何を言われたかわからない様子を見せて彼女の口からやっと出た声はそんな間抜けな声だった。いつも通り決まった席に座って、絵を描いていたから気になっていたんだけど。



「え、あ…そ、そんな大したものでは…」



「わかんないじゃん。そんなの僕が決める！」



嫌々と何故か顔を赤くしながらスケッチブックを胸に置き隠す。



「見せて！」



「だ、ダメです…」



「いいじゃん！」



「だ、だめ…！」



何がそんなに見られたくないのか。だめ、と言われるほど見たくなるのが人間ってものでしょ？後ろで社長が「ほどほどにしといてやれ」と言っているのをスルーする。



「んもぅ！じれったいなぁ！」



「あっ！」



そういって彼女から半分強引にスケッチブックを奪い取ってみた。



「…………へっ」



僕からも変な声が出た。
だってそこにかかれていたのはｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ



「…これ………僕？」



目の前の彼女は耳まで真っ赤だった。



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