まいにちなすくん (ページ7)

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1月22日ページ7

何が起こっているんだろう。
目の前に那須くんの顔があって。
私の唇には、人の、那須くんの体温が伝わってきて。

「なんだ、受け入れてくれるんだ」

『……いや、』

受け入れるも何も、キスという行為が初めてで。こう見えてテンパっている。

「俺のこと、好きになってよ」

『私なんかのどこがいいの』

「Aさんがいいの」

『答えになってない』

「本当にAさんがいいの。俺こう見えてモテるんだよ？」

『……そう、だね』

そう、那須くんはモテる。モテるのに私を選ぶから意味がわからない。絶対女子たちに恨まれてる。

「俺さぁ、Aさんのことをもっと知りたいんだ。
何考えてるのかわからなくて、心を閉ざしているようなAさんを見た時、思ったんだ。
俺がAさんの心の扉を開きたい、って」

『……、開けるのかな、心の扉』

「うん。俺の前だけでもいいから、素のAさんと話したい」

.

.

那須くんの猛アタックのおかげで(?)、今がある。

「A！いってきます」

『いってらっしゃい、雄登』

今日もまた、スーツに身を包んだ雄登を見送りながら思い出す、高校を卒業する少し前のこと。