まいにちなすくん (ページ12)

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1月27日ページ12

「まって、Aちゃん！」

些細なことで喧嘩して、人気のない屋上へと続く階段に逃げてきた私。
すぐに雄登くんに見つかってしまった。

『雄登くん……、』

ジリジリと距離を詰められて、私は雄登くんと壁に挟まれた。いわゆる〝壁ドン〟状態で。
距離が近くて、恥ずかしくて、まともに雄登くんの顔が見れない。

「ねぇ、Aちゃん」

そういって慣れた手つきで顎をクイッと上げるから。
これまで色んな女の子にしてきたのかなぁ、って少し悲しくなるの。
それと同時に、ドキドキしちゃって、雄登くんと目を離せないでいた。

「俺は、Aちゃんのことしか見てないよ？」

雄登くんの唇が、どんどん私に落ちてきて、壊れちゃいそうなの。

『雄登くん、』

「なぁに？」

『やっぱり、雄登くんのこと好きみたい』

「ん、わかってる」

優しい目を向けながら、私の頭を撫でた雄登くん。
こうしてまた、私は雄登くんから抜け出せないんだ。