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『まだ…大丈夫だから…』ザ「…」 ページ12

貴方視線

この孤児院は四階建てで屋上がある。今は四階に居る。屋上に行く階段を探してそこから飛び降りるしかない。

『敦。屋上に行く階段を探せ。』

敦「はい。」

はいれそうな所は隅々まで探した。だんだん息苦しくなってくる。

あぁ…この感覚久しぶりだなぁ…あの時…

・・・過去・・・

『父上!!母上!!熱い…熱いよ!』

家が燃えていく…

兄「A。大丈夫だよ。僕が出してあげるからね。」

『あ…兄上ぇ!!』

あの時兄上をなにがなんでも離そうとはしなかった。

兄「これから言うことはよく聞くんですよ。今僕が持っている異能力をAにあげます。」

『異能…力…兄上の?』

兄「えぇ…Aも持っているでしょう?僕の異能力はなにがあっても死ねない能力。寿命でも…事故でも…だけどこの事は口外無用。父上にも母上にも…」

『兄上は?兄上はどうなるの??』

兄「大丈夫…僕は大丈夫ですから!ね?」

『…うん…』

其処で私の意識は途切れた。次起きたとき始めに見たのが母上だった。体のあちこちが痛い。

母「良かった!!A!!起きたのね!!良かった…」

泣きながら飛び付いてきた母上…それに続き父上も優しく抱き締めてくれた。だけど…

『兄上…は?』

と聞くと…二人は思い詰めたような顔をした。兄上は私を守るためにタヒんだ。タヒんだんだ。

タヒぬ?なんなのそれ?なんで人は死ぬの?なんで?なんで?

それから何年の月日も経った。10年…100年……そして1000年…大切な人が消えていく。それなら大切な人を作らなければいい。私より先にタヒぬなら…殺してしまえばいい。

・・・・・・・・
火事がなければ私は今生きていなかっただろう。兄上が此処に居たのかも知れない。

敦「Aさん!!ありました!!」

『うん!!ザック…私…大切な人は殺さない主義だから…大丈夫だよ…』

私は走った。屋上まで…

屋上はまだ燃えていなかった。

『敦…飛び降りるよ。』

敦の返事を待たずに私は飛び降りた。

『熱いのは…嫌いだなぁ…』→←『依頼ないなぁ…』



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作者名:門番 | 作成日時:2017年8月22日 23時

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