ワガママ《赤》 (ページ33)

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クラスごとに用意された待機用テントに戻ると

重岡くんが私を見つけてあ！という顔をした。

…可愛いな。

重岡くんはテントから出てズンズンと向かって来る。

…なんか、怒ってる？

「Aちゃんどこ行ってん！」

「ドリンク買いに行ってた」

ほらと買ったドリンクを見せる。

でも重岡くんはまだ怒ったような表情だった。

「重岡くん、怒ってる？」

「怒ってへん！」

「そ、そう…」

「にしても遅かったなぁ。並んでた？」

「いや、途中で藤井くんと小瀧くんに会って」

「なにぃ！！イケメンはあかん言うたやろ！」

そういう事なら話は別やでとまた怒ったような表情になる。

そんな顔しても怖くないからなぁ…

「…じゃあ重岡くんとも話せないね」

「それは別やで」

へへっと笑った重岡くん。

眩しい。

お顔が今日も麗しい。

「さて、今日は暑いからスポーツドリンク！」

「ん…？なにかな？」

「やっぱAちゃんと同じのにしよかなぁ」

「聞いてる？」

「っしゃ、レッツゴーや！」

重岡くんが指さすのは、体育館横に備えられた自販機。

それで私を待ち構えてたのか。

…私、また行かなきゃいけないの。

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