22話 ページ23
「私、どうしていいかわかんないんです。
男女の間には圧倒的な差があって、どう頑張ってもそれが埋められない。
この前もそれで足引っ張って、ヤケになってたんです。
それで、総悟に酷いこと言っちゃいました。」
泣き顔を土方さんに見られるのがどうにも恥ずかしくて、膝の内で組んだ手に目を向けた。
土方さんの蒸す煙草の先から出る煙が、紺色の空を背景にはっきりと見えた。
「今お前が酷いこと言っちまったって感じてんなら、それを伝える相手は俺じゃないはずだ。
全てが己の腕から滑り落ちた後、何も伝えられなかった自分に後悔するのは嫌だろ。」
そう、土方さんの言うことは正しい。
けれど、総悟にごめんを伝えたとして。
その後はどうしたらいいのだろう。
違った二人の心が治ったとして、開いてしまった力量の差が誤って埋まるのなら私はこんなに後悔していないのだから。
でも、何にせよけじめはつけなければいけなくて。
中途半端な考えのままここにいるのは、近藤さんに、土方さんに、総悟に、失礼だから。
「土方さん。
一手ご教授願えますかね。」
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年5月11日 7時