15話 ページ16
「大した意味はないよ。
ただ彼処で死ねたら本望だったなって。」
総悟が私の襟を掴む力が一層強くなった。
「お前は、彼処で死にたかったっていうのかよ。
巫山戯たこと抜かすんじゃねェよ、彼処で命を落としたやつだって_」
「知ってるよ。」
これ以上、自分の思いを爆発させてしまえば、泣いてしまいそうだった。
いや、もうすでに泣いているのかもしれない。
「でも、じゃあどうやって生きていけばいい
のよ...!
私は私なりに頑張ってきたつもりだった。
一番隊副隊長として、精一杯やってきたつもりだった。
けど、私は足を引っ張ってばかりで、剣術だって大したことない。
女が男に勝つことはできないって、分かってた。
でも、女人禁制の新選組に私を入れてくれた近藤さんや、土方さんのためにも頑張らないとって思ってた。
けど、どんなに頑張っても埋まらないの。
私は女で、総悟が男だから。
生まれ持った物のせいで、何でこんなに悔しい思いをしなくちゃならないの?
だから、これからどうやって新選組一番隊副隊長として剣を振るっていいのかわからない。
分からない、の。」
総悟の隊服をギュッと掴んだ。
離れてしまった身長のせいで、総悟の襟を掴むことはできなかった。
「私じゃ、総悟の隣に並べない。」
溢れる涙が、止まらない。
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年5月11日 7時