episode260＿＿別離 ページ20
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「なにしてるの。ほら行くよ」
「あ、ちょ凪!?」
何も言わずに突っ立ったままの私にしびれを切らしたのか、はたまた玲王が引き止めていたのを見ていたのかは分からないけど、凪が手首を掴んで強引に引っ張ってきた。
力の加減はそこには全くなくて、少しでも抵抗しようとすれば腕が抜けそうだったから私は大人しく着いていく。
その間に、摘んでいた玲王の指も離れていった。
「ねぇ凪、本当にこれでよかったんだよね」
「えっ。逆に何か問題でもあるの？」
「そうじゃない……けど」
前を歩く凪に思っていたことをそのまま投げかけた。だけど肝心なところで言葉に詰まってしまう。私は後ろ目で、置いていった玲王を見つめた。
飼い主に置いて行かれた子犬のように力なくその場に佇んだまま動かない玲王は、少しでも風が吹けば倒れてしまいそうなほどに私には脆く、危く映っていた。
「何か勘違いしてるみたいだから言うけどさ、俺、玲王を見捨てたつもりないよ。むしろこの先のお互いの為に取った最善の行動なんだけど」
「それは分かってる。でもそのこと、ちゃんと玲王にも伝えて話しておいた方がいいと思うんだ」
「なんで？いいじゃん別に、一々そこまで説明しなきゃダメなの？面倒くさ。……大丈夫、玲王なら分かってくれてるよ」
いや、凪の気持ちは玲王に伝わってない。
今の玲王のどこをどう見て ちゃんと自分の気持ちは伝わっている、なんて自信をもって言えるんだろう。
どんなに仲が良くても、人は言葉にしてもらわなきゃ不安になる。例えそれが かけがえのない親友でも、仲間でも、大切な人でも。なんの相談もなしに決められたらそれだけで相手を信じられなくなる。人間って凪が思ってる以上に面倒臭くて繊細な生き物なんだぞ、と、喉から出かかった言葉を飲み込んだ。
「凪ってさ、人付き合い嫌いな方？」
「嫌いってか面倒臭い」
「玲王といるのも？」
「それは別。玲王は面倒臭くない」
ハッキリと言った凪は、それ以上私に話しかけてこなかった。玲王も凪もお互い向いてる方向は同じはずなのに、どうしてこうも食い違いが発生してしまうのだろう。
前を歩く凪の表情は窺えないし、何をどう思って私の手を引いて歩いてるのかも分からない。
「(大丈夫、かな。
自分でもよく分からないけど、どこかに間違いがあるような、それがはっきりしない、漠然とした不安に私は襲われた。
ただ今は、玲王の精神状態が心配だ。
♛︎episode261＿＿冷嘲→←♛︎episode259＿＿決別
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はもに(プロフ) - 瑞稀さん» 瑞稀さん、コメントありがとうございます。玲王と凪のすれ違いは見てて辛いものがありますよね…。寵マリはさらに輪をかけてなのでこれからの玲王の行動にも注目して頂けると幸いです！ (2023年4月28日 20時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - れ玲王〜〜ほんとこのコンビは言葉足らずが、、玲王の精神状態原作の数倍やばそう (2023年4月19日 3時) (レス) @page21 id: 3f4ee46d03 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - ヤマシタ恋白さん» ｱ~~~~ヤマちゃんだ！！！ツクからご感想貰えるなんてはもに感激です、、！！お礼を言うのは私の方だよ~~~仲良くしてくれて本当にありがとね、お祝いのお言葉も感謝ですᵕ̈* これからも寵マリ共々よろしくしてくれると嬉しいです💕 (2023年4月14日 1時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 青さん» 青さん、お祝いのお言葉ありがとうございます！ここから玲王と神崎の関係値が大きく変わるキッカケになるお話でしたので楽しんで頂けたようでとても嬉しいです。これからもご期待に添えられるよう尽力致しますのでよろしくお願いします🥰 (2023年4月14日 1時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 凛香奈さん» 凛香奈さん、いつも真っ先にコメントしてくださり本当にありがとうございます！Twitterの方もフォローしてくださっていたなんて感激です、、！！番外編もご愛読されてると聞き、活力が湧きました！！これからも何卒、引き続きよろしくお願いします‼️ (2023年4月14日 1時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年4月11日 18時
