episode103＿＿予兆 ページ7
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「(てか、久遠にも蜂楽にもバレてんのになんで肝心の世一は気づかないんだ……いや気づかれても困るけど、少しは意識くらいしてくれたって良くない？なんなんだあの
今に始まったことではないけれど、世一の鈍感さにはずっと頭を悩ませてきた。或いは私を異性として見てない、のか。なんて考えるとちょっと苦しかったので頭を振った、考えるのはよそう。
「話変わっちゃうけどさ」久遠が話題を転じてくれた。ホッと一安心して、隣に並ぶ久遠を見上げる。
「潔くんの言ってた ゴールの匂い。あれって前から兆しのようなものはあったの？マネージャー、もしかして知ってた？」
「あぁいや、実は私もこの間初めて知ったばかりなんだ。世一本人も國神から言われなかったら気づかなかった武器みたいだからさ。正直ちょっと戸惑ってる」
「世一は変わろうとしてるんだと思う。ううん、世一だけじゃない、今日戦ったチームYの選──……」
「マネージャー」
「ん、なに？」
言葉を遮られた。急に久遠が立ち止まるから、私もつられるようにして足を止めた。そして振り返る。久遠は俯いていた。
「久遠？」
心配になって横から顔を覗き込んだ。栗色のウェーブがかかった横髪が死角になって顔色までは窺えない。
「……俺、勝ちたい」
「え、あぁうん。そりゃあそうだよね」
廊下に響いた久遠の絞り出すような低い声。それはまるで、自分に言い聞かせているような語調だった。
「勝ちたいんだ、俺。本当に勝ちたい」
「別に疑ってないぞ？」
「久遠、相談なら乗るよ」
「いや なんでもない平気！ごめんマネージャー」
「本当になんともない？」
「もちろん！よーし、次の試合も頑張るぞー！」
「……お、おう？」
──どうも雲行きがおかしかった。
久遠はいつにもましてにこにこと微笑んでいて、その靴音は遠ざかって行くように大きく響いた。私は心の奥底で、ざわざわと波立つのを感じていた。
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はもに(プロフ) - かっぱさん» かっぱさん、はじめまして！励みのコメントありがとうございます。一番なんてお言葉頂けて感無量です、、❕これからもご期待に添えられますよう頑張りますᵕ̈* (2023年2月20日 0時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱ - このお話本当に大好きで、一番気にいってます♡これからも応援してますね!! (2023年2月19日 21時) (レス) @page49 id: 3275caf583 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 七子さん» 七子ちゃん、感想投げてくれてありがとう❕ ちょっとドギマギの三角関係ではあるけれど、話の落とし所はちゃんと決めてるので見守ってもらえると嬉しいᵕ̈* いつも応援してくれて励みもらってます！これからもよろしくね❣️ (2023年2月17日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
七子(プロフ) - 潔が好き⁈⁈⁈そんなの…そんなのあんまりよ‼︎二次創作でレオと存分にイチャつかせてやるんだから（現実逃避） (2023年2月15日 21時) (レス) @page35 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 凛香奈さん» 凛香奈さん、初めまして！繰り返し読んでいただけてるという事実に感極まってしまいました🥲ここ最近更新の時間帯が不定期ですが、引き続き頑張っていきたいと思います！応援ありがとうございます🙇♂️とても励みになりました！ (2023年2月13日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年2月7日 18時
