♛︎episode139＿＿布告 ページ43
✘
「ほら、行くぞA」
「ちょ！まっ！離せ！やだ、やだってば！」
引きずられるようにして無理矢理歩かされる。腕を引っ張る力が強い。凪を背負ってんのに どこからこんな力が出るんだ。下手に抵抗したら腕が抜けそうで怖かった。
もう、黙って大人しくついていくしかないのか、そう思って、諦めかけた時だった。
「A！」
名前を呼ばれて、私のもう片方の手を、誰かが掴んだ。足が止まって私と玲王は同時に振り返った。
「離せよ」
「……あ？」
「嫌がってるだろ。やめろよ」
世一、だった。固まってたところを慌てて追いかけてくれたみたいで、少し汗をかいてる。でも私の手は しっかりと握っていて、それがなんだか無性に嬉しかった。
「てめぇこそ離せよクソが。人のモンに気安く触れてんじゃ……」
「世一……っ！」
玲王の言葉を遮って、助けを求めるような声で名前を呼んだ。そしたら 声かも分からない小さな音が玲王の方から聞こえて、私は首を後ろに捻った。
玲王は 潔を見て、暫く大きく目を見開いてた後、唇を震わせて、なにか言葉を紡ごうとしていた。けど、押し込めるように 強く歯を食いしばった。堪えてるような顔をしてる。
掴まれていた手から震えが伝わった。力が緩まったから 私はその隙をついて玲王から逃げるように世一の後ろに隠れた。
「レオ、いいの？」
「いい。……気が変わった。帰るぞ」
盗み見てみると、凪を背負い直した玲王が剣城を引き連れて入口へと向かって歩いていく。そしてあと一歩、というところでまた立ち止まった。
こちらを振り向く玲王の姿がスローモーションがかかったみたいに見えて、少しゾッとした。
「潔世一、とかいったな、おまえ｣
「……だったらなんだ」
「次の試合 お前は絶対に潰す。覚悟しろ」
捨て台詞を吐いて、玲王は行ってしまった。張り詰めていた緊張の糸が切れて、どっと嫌な汗が溢れて出た。それは皆も同じなようで、謎に大きな息を吐いて肩を落としていた。
「なんだったんだアイツ……A 大丈夫？」
「あ、うん平気。……ありがとう世一｣
幸い、玲王が関係を口にしなかったことで事なきを得た。私がマネージャーという立場だから、他の選手と話していても何ら違和感はなかったみたいだ。
それどころか「また変な奴に好かれてんな、おまえ」って世一に同情された。違わないけど、違う。そう言いたかったけど、これ以上話をぶり返すのもしんどかったから、私は苦笑いで誤魔化した。
♛︎episode139.5＿＿玲王side→←♛︎episode138＿＿宣戦
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はもに(プロフ) - かっぱさん» かっぱさん、はじめまして！励みのコメントありがとうございます。一番なんてお言葉頂けて感無量です、、❕これからもご期待に添えられますよう頑張りますᵕ̈* (2023年2月20日 0時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱ - このお話本当に大好きで、一番気にいってます♡これからも応援してますね!! (2023年2月19日 21時) (レス) @page49 id: 3275caf583 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 七子さん» 七子ちゃん、感想投げてくれてありがとう❕ ちょっとドギマギの三角関係ではあるけれど、話の落とし所はちゃんと決めてるので見守ってもらえると嬉しいᵕ̈* いつも応援してくれて励みもらってます！これからもよろしくね❣️ (2023年2月17日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
七子(プロフ) - 潔が好き⁈⁈⁈そんなの…そんなのあんまりよ‼︎二次創作でレオと存分にイチャつかせてやるんだから（現実逃避） (2023年2月15日 21時) (レス) @page35 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 凛香奈さん» 凛香奈さん、初めまして！繰り返し読んでいただけてるという事実に感極まってしまいました🥲ここ最近更新の時間帯が不定期ですが、引き続き頑張っていきたいと思います！応援ありがとうございます🙇♂️とても励みになりました！ (2023年2月13日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年2月7日 18時
