只の通りすがり ページ1
獅子家。
字だけから見ると強そうな家だがこの家は言ってお金を持っている所謂貴族の家だ。
この家の長男、四指
文哉の妻、
いって文哉は家の序列が一位の人間。
そして、この家には文哉の兄弟が四人居た。
長女の
みな、貴族とは思えぬ心の清さを持ちながらも知徳を持っている素晴らしい一族だった。
序列二位は秀介。
三位は智鶴。
四位は夏樹。
五位が美兎。
六位が真依。
勿論、他の兄弟には妻、夫が居るのでこの序列は第十位まで続く。
あぁ、説明し忘れていた。
序列と云うのは家の中の強さを表す。
最も強いのはこの家の主て有り獅子家の父である
……皆はこの方を呼び捨てで読んではいけない。
四指家全員この方をお父様と呼ぶ。
裏では、何と呼ばれているやら……
え？ この家の人は皆清い心を持っているのではないのかって？
なわけあるか。
人には業がある。
其れがある限り、復讐が生まれる。
おっと、話がそれたかな？
話を戻すが、本当に裏表がない人間なんて存在すると思うか？
答えはNOだ。
裏表がない人間なんて存在しない。
いや、裏しかない人間は居るかもな。
本当に優しい自分の事を考えていない人間なんていないんだ。
は？ まだ聞きたい事が有るの？
お前は誰だって？
あぁ、其れは自分で考えてみろよ。
まぁ、お前なんぞに解けるんだったらな。
は？ 考える気失くしたってか？
ちっ……
俺は只の通りすがりの人間だよ。
じゃぁな。
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作者名：暁 抹茶 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年7月26日 20時
