#55 ページ8
深く礼をする職員に俺も感謝を込めて礼をした
そして俺は職員の方から森の奥に一軒の家があることを
教えてもらって1人で森を散策した
1歩1歩進んでいけば見えてきた一軒家
ab「ここが……」
ガサッ……
音に気づいてすぐに木の幹に身体を隠す
kj「今日はええ天気やわ〜そうやと思わん？」
fk「確かに、この天気ならゆっくり寝れそう」
iw「寝てばっかじゃなくて動けよ、お前いつもサボってるだろ」
sk「まあまあ、楽しかったらなんでもいいじゃん？」
家に近づいてきた4人の男
そのうちの2人には見覚えがあった
ab「翔太と一緒に街に来てた2人だ……じゃあここは……」
ガチャ……
ru「おかえり！」
sh「お疲れ」
kj「ラウ！！しょっぴー！！」
fk「康二、そんなに強く行ったら翔太が潰れるよ」
sh「うるせぇ」
やっぱり翔太は生きてたんだ
だとしたら…目黒は裏切ったんだ
sk「いや〜疲れた〜」
iw「後でふっかトレーニングな」
fk「照の鬼〜！！」
sh「……ん？」
ab「……！」
じっと見つめていたらなにかに気づいたように翔太が
こちらを振り返った
まさか、俺がいるってバレた……？
ru「翔太くん、何してるの？」
sh「あ、いや……なんでもない」
翔太はラウと呼ばれていた彼の声に家の中に入っていった
ab「危なかった……」
気づかれていたら本当に危なかった
俺が森に来ているなんて思ってないだろうし
俺も初めて森に来た
昔からこの森は危ないから行くなって言われてたし
でもこんなところに住んでいるなんて……
ab「ここだと流石に探せないな……」
一先ず帰って計画を練ろう
それに翔太だけじゃない、
俺は元来た道を戻り馬車に乗れば集落や森は遠ざかっていく
仕上げだ、これで俺の手に入れるためなら何でもする物語の
最終章が始まっていく
俺は二度と陽の当たる世界には戻れない
甘い林檎の香りがふわっと香った
あぁ……お礼言うの忘れたな……
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作者名：Mai | 作成日時：2023年9月21日 18時
