真っ赤な果実を喰らうときⅡ (ページ6)

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sh side

次の日、康二が焼いたパイを持って森のすぐにある
集落へと向かった

sh「やっぱりなんか治安悪いな」

kj「せやな……これ渡してすぐ帰ろうか
なんか話せる感じやなさそうやし」

浮浪者たちが集まっているからかどこか空気も淀んでいる

kj「すみません、これここにいる皆さんで食べてください」

職員「そんな、こんなにいただいていいんですか？」

sh「全然、余っちゃって……」

職員「ちょうど良かった、今日王宮の方がいらっしゃっるので
何を出そうかと迷っていたんです」

kj「王宮の方が！？そんな、俺らが作ったもの出すなんて……」

職員「こんな美味しそうなパイだったら
絶対よろこんでくださりますよ」

sh「お役に立てるのであれば全然大丈夫です」

職員「本当にありがとうございます」

kj「じゃあ俺らはこれで失礼します」

2人で礼をしてすぐさま集落から離れた
もし王宮の奴らが俺の姿を見たりすれば
きっと亮平に報告される
ここでバレたらお終いだ

sh「康二、早く行くぞ」

kj「お、おん……」

森の入口で集落の方を振り向けばちょうど王宮の馬車が
入っていくところだった
マジで危なかった……

kj「ここでも見つかったら追いかけてこれるからはよ行こう」

sh「そうだな」

森の奥へと入っていく俺は気づかなかった
馬車から俺と康二の姿が見えていたなんて
そして、亮平が集落を見回った後
俺を追って森の中まで来ていたなんて……