#49 ページ2
翔太は家に着くなりソファに撃沈
いつにもまして早く朝から動いたことで
彼の体はヘトヘトになった
sh「康二〜後で起こして……zzz」
fk「何？朝から林檎取りに行ってたの？」
kj「おん！アップルパイ作るんやで！」
iw「にしても多くねぇか？この林檎の量いくつ作るつもりだよ」
sk「まあまあ、いいじゃん？いっぱい食べれるし！！」
ru「アップルパイ楽しみ！康二くん、後で味見させてね」
各々反応は違うけれど、それでも楽しみにしているのは
顔を見れば分かるものだ
作るにしても朝ご飯を食べなければ作る力もない
康二はさっと簡単なスープとサラダにパンを用意し
寝ている翔太を起こして少し遅めの朝食を取った
kj「ほな作るで〜！」
sh「包丁マジ怖……」
kj「包丁よりしょっぴーが持ってる剣の方が怖いやろ！
ゆっくりでええから林檎切るでー」
トントントントン…
リズム良く切っていく康二に対して
顔を強ばらせながら慎重に切っていく翔太
速さは歴然だがここに美味しさは関係ない
kj「さっき生地焼いといたから林檎好きなようにおいて
このシロップちょっとかけて
あとはこの生地で格子に被せればOKや！」
sh「こんなので出来んの？」
kj「卵塗ってオーブン入れて焼いたら完成やで！」
sh「へーなんか俺一人でもできそう……」
kj「さすがにやめとき！？」
むっとする翔太を見て康二は焦り出す
翔太に包丁を持たせて1人で料理させると危ないのは
この家に住む全員が理解している
康二は必死に止めようとしているが
翔太は納得していないみたいだ
sh「まぁ、あとは焼くだけだし俺は寝てくるよ」
kj「さっきから寝すぎちゃう？全然ええけど
夜寝れへんなるのだけはやめてやー！」
sh「おう」
康二の声に軽く返事をした翔太はまた1人部屋で寝始めた
康二は余った林檎でアップルパイと小さなりんご飴を
せっせと作る
アップルパイは薔薇の形にしていてとてもオシャレだ
りんご飴は街で子どもに渡す用らしい
ru「康二くん何してるの？」
kj「ラッピングやで、ラウもするか？」
ru「うん！ラッピング初めてする！」
kj「ほんまか？簡単やからすっとできるで！」
ru「やってみる！」
器用なラウールは見よう見まねでこなす
その様子を見て康二は微笑んだ
ru「子どもたちに喜んでもらえるといいね！」
kj「おん！数量限定やから貰った子はラッキーやな！」
互いに笑えばその笑顔の輪は広がっていく
そう信じて康二は籠に詰めていった
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作者名：Mai | 作成日時：2023年9月21日 18時
