パン屋『四季』での日常 (ページ23)

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はたち目ページ23

nosaid

『いらっしゃいませ！』

今日もパン屋『四季』では店主の明るい声が聞こえてくる

しかし最近はその声にもう一人加わっていた

「Aちゃん！こんにちは！」

『遼くん！こんにちは！いつもありがとう！』

沢村遼。彼女と同い年で彼はしっかり学校に通っている。
数ヶ月前から彼女の店を毎日訪れている

「今日は学校でねー」

大抵彼はその日学校であったことを教えてくれる
彼女はそれを聞くのが最近の楽しみになっていた

『そっかぁ…それは大変だったね…』

「…ねぇ、前から気になってたんだけど…Aちゃんは誰か好きな人でもいるの？」

『え？居ないけど…どうしてそう思ったの？』

真剣な顔で彼女にそう聞く彼

なぜそんなことを聞くのか分からなかったので聞いてみる

「だって…Aちゃんの家をみてる人がいたよ？？」

『？どんな人？』

「えっと…確か30代前半ぐらいで、短髪？でサングラス掛けてた」

『誰だろう？』

「知らない人なら気おつけた方がいいよ」

『うん。気には止めておく！』

彼女に別れを言い店を出た途端遼は、ため息をつく。

(Aちゃん…大丈夫かな？)

彼女の事が心配なようだ

(あの子何だかんだで頭はいいけど…ほかのことに関しては無知だからなぁ…)

〜友達の心配事〜