パン屋『四季』での日常 (ページ21)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:22,348 hit

とおあまりやっつ目ページ21

nosaid

結局彼女は、天には会えず、間もなくライブがはじまってしまうので客席にいるりくたちの元へと行くことにした

「またね！Aちゃん！」
「俺たちのライブしっかり見てろよ」

『はい！楽しみにしてます！』

ーー

さて、ライブの会場のロビーに行ってみると何やら陸がメンバーに話しているらしい

(待ってた方がいいかな…？)

「それで、俺と天にぃは、離れ離れになったんだ…」

「そうだったんだね…」

「その時、Aちゃんは？」

「…そう言えば…その時にはもう店をやってたような…？」

「え！？」

「彼女、幾つから店の経営をしてるんですか！？」

柱の影でその会話を聞いていたAは、びくりと肩を震わせた

「実は俺も何でAが店をやってるのか全く知らないんだ…いつの間にかおばさんも亡くなってたし…物心ついた時にはAは左京さんと一緒に店の経営をしてたんだよ」

Aが、何故従兄弟たちに借金を隠していたかというと2人に心配を掛けないためである。
特に陸は小さい頃から体が弱かったので彼女は彼女なりに彼らを気遣っていたのだ

「左京さんって…もしかして眼鏡を掛けて、黒いコートを着た少し強面の方ですか？」

紡が陸に質問する

「そうだけど…マネージャー知ってるの！？」

「え、ええ。私がAちゃんのお店に行くとたいていいらっしゃいますよ？たまにお話させていただくんですが、何だか口調はキツめでしたが…Aのことをかなり心配しているようでしたよ？」

「え？」

「最近仕事ばかりして休んでいないとかまた食事を抜いたとか」

「…あいつ…食事抜かすのはダメだろ」

三月がそこに突っ込む

「彼女はどうやら他の人を頼らなくなってきているようですね。」

一織は冷静に考えそう言った

「そうなんだよ…だから俺にも頼ってほしいんだよ…」

その言葉を物陰でひっそり聞いていた噂の人物はぎゅっと両手を胸の前で組み、何故か悲しそうな表情をしていた

〜陸の知らない彼女の秘密〜

(はぁはぁ！つ、着いた！)
(遅いですよ皆さん)
(人助けをしてきマーシタ！)
(大様プリン21個…！)
(ん？Aは？)
(まだ見たいですねぇ)
(お、遅れてごめんなさい！)