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西「湊は今日からしばらく弓の練習はお休みする、と連絡がきました。」




夏休みに入り、これからというときに西園寺から告げられた湊のこと。




Aと愁は意味がわからない、というような目で西園寺をじっと見る。




愁「湊は...。理由を伺ってもよろしいですか?」




愁は何か言いたそうだったが、2人が1番気になっていることを西園寺に聞く。
あんなに弓が大好きな湊が、突然なぜなのか。




西「詳しい理由は教えられません。ただ家庭の事情としか。」


『家庭の事情...湊は...湊はまた戻ってきますよね?』




Aは納得がいかないというような、困惑した目で西園寺に尋ねる。




西「えぇ、きっと戻ってくると思います。だから2人は湊の帰ってくる場所を作って待っててあげてください。」


愁「わかりました。」


『はい。』




2人は理由に納得こそできなかったが、湊の帰る場所を作るという西園寺の言葉に頷く。




そうしてAと愁は湊が帰ってくると信じ、西園寺のもとで稽古に励むのだった。









湊が帰ってくるのを待つAと愁。
2人はさらに腕を上げ、西園寺の秘蔵っ子とまで噂されるようになっていた。




そして気づけば秋の紅葉も落ち、冬の寒さも峠を越し、植物達が新しい芽を出す季節になろうとしていた。




2人は春から桐先中学校に通うことが決まっている。




これからの新しい生活、新しい環境に心が躍る。
しかしAと愁の心には、必ず湊がいた。




すぐに帰ってくるだろうと思っていた湊は、なかなか戻ってこない。




西園寺にそれとなく聞いてみるが、いつも上手くはぐらかされ本当の理由も聞けずにいた。




桐先に行けば、弓道部に入れば再会するかもしれない。




湊は弓が大好きだから。




いつもの帰り道。
Aは愁の袖を控えめにつかむ。




『愁、また会えるよね。』

愁「あぁ、会えるさ。おれたちが弓を続けていればね。」




誰に、とは言わない。
ただただ3人でまた、弓を引きたい。




そんなことを思いながら、愁はAの小さい手を袖から自分の手の中に包み込んだ。

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設定タグ:ツルネ , 藤原愁 , 鳴宮湊   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:希子 | 作成日時:2023年2月1日 13時

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