押してダメなら (ページ23)

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わたしが北斗くんの存在を知ったのは去年

こう見えても読書が好きでよく図書室に通ってたわたし

通ってるうちに頻繁に見かける男の子がいた

わたしが気になってる本とか

わたしが好きな作家さんの本を読んでいたりして
　

そこでまず興味が湧いた
　

休み時間にもあのうるさいメンバーに囲まれながら

自分の席で本を読んでるところをよく見かける事があって

いやこれに関しては私にはできないから

そこまで本に没頭できる方法聞きたいくらい

いつか好きな作家さんのお話だったり

好きな小説の話で盛り上がってみたいなと

密かな願いもあったり

今思えばその時から少し気になってはいたんだけど

図書室にいたらちょっと目で追っちゃう

それくらいだった

　

そこから直接関わることになったきっかけは

ある日先生にこの荷物を職員室まで持ってきてって

頼まれたんだけど、まあ重たくて

でもどうしようもないし両手で抱えて

持って行こうとしたら

見事に床にばら撒いちゃって終わった〜と思ってたら

下から現れたいつも図書室で見てた彼が来て

「手伝いますよ」って拾ってくれたの

『あの、すいませんでした
ありがとうございます』

そう言って持って行こうとしたら

「ちょ、これひとりでどこまで持ってくの？」

『えっと、職員室までです』

「貸して」

　

そう言ってわたしから半分奪って

　
いや、半分じゃないか

7:3の7くらいを職員室まで持ってくれた事

とはいえいくらわたしでも

そこまでチョロいわけじゃないからね

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