押してダメなら (ページ21)

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「A先輩？」

黙々と作業をしていると後ろからわたしを呼ぶ声

『ぎょっ、めめくんだ』

「ぎょってひどくないっすか」

『ごめんごめん、つい驚いて』

「なにしてるんすか、ひとりで」

『あ〜、お手伝い？的な』

さすがにホールーム中に大声出した罰だなんて

恥ずかしくて言えずに濁す

「的なってなんすか(笑)」

『まあそこは気にしないでもらって
ってめめくんはどうしたの？こんなとこに』

「あ、隣が部室なんですけど忘れ物しちゃって」

『そっか、サッカー部だもんね』

「知っててくれたんですか？」

『さっきみことちゃんに聞いたんだ』

「あ〜、なるほどそうっすよね
てか俺手伝いますよ」

『え、申し訳ないから大丈夫だよ
すぐ終わりそうだし』

「一緒に帰りたいんで手伝います」

思わずどきっとした

そんな深い意味もなく言ったのはもちろんわかってるけど

北斗くんには申し訳ないけどときめいちゃった

苦手意識を持ってた彼にさえときめくほど

男の子への免疫を持ち合わせて無いわたしって、、、はあ

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