押してダメなら (ページ1)

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わ、今日もかっこいい

ゆるく気崩された制服を着て

ドアに寄りかかり電車に揺られながら

本を片手に立っているだけで彼だけ映画のワンシーンみたい

　

あのフェイスラインに鼻筋、天才か？芸術作品か？

そんな事を考えながら見つめているのは

松村北斗くん

最初の文面からわかる通り
　

わたしの好きな人

サラリーマンおじさん達に囲まれてるせいで余計輝いて見える

もはや、眩しい
　

「Aおはよ〜って、また松村？」

そう声をかけてくるのはわたしの大親友のみことちゃん

わたしの最寄駅から二駅先がみことちゃんの最寄駅

いつも決まった号車に乗って

こうやって合流するのが朝のルーティーン

『今日いちにちを乗り切るためには
毎朝こうやって北斗くんをチャージしないといけないの〜』

「ほんと、毎日毎日すごいね」

　
『褒め言葉として受け取ります』

　

そう言って敬礼ポーズをすれば

目を覚ませなんておでこを軽くたたかれて

ぺちっと音がする

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