Episode 6 ページ9
外から聞こえるのは、ポルナレフに対する挑発の声と、花京院の宥める声だった。
｢ポルナレフ！挑発に乗るな！｣
｢ここで無念を！抑えて逃げろと言うのか？！｣
窓から外を覗く。
ポルナレフの憎悪に歪んだ顔は、例えるならば般若の様だった。
しばらく会話は続く。
次のセリフを迎えるまで。
｢おい…ホル・ホース、撃て…このアホをとどめるとしよう！｣
そのセリフを発したのは、この場にいるどの人物でも無かった。しかし、確かに聞こえたのだ。不気味でゲスの聞いた、低い声を。
｢アイ！アイ！サー！｣
そして次の瞬間。
カウボーイのような男が銃を構え、トリガーを引く。銃口から銃弾が発射された。銃弾はポルナレフを目掛けて飛んでいく。
｢あ、危な＿｣
｢エメラルドスプラッシュウウッ！！｣
突然、窓の外を緑色の光が包んだ。いや、包んだなんて優しいものではない。放たれたのだ。閃光のように、水の中を綺麗な緑色の宝石が飛んでいく。それは花京院が放ったものだった。正確に言えば、花京院の隣にいる霊のような“何か”が放ったのだ。
｢後に移動してくれ！早く！｣
｢は、はい！｣
いつの間にか運転席に戻ってきていた花京院が、後部座席に座れとAに指示を出す。
一度車から降り、すぐに後部座席へ移動した。
宝石はポルナレフに命中する。銃弾の軌道から吹き飛ばされた。
そのポルナレフのすぐ横を目掛けて、車は走る。
運転席のドアから腕を出し、ポルナレフに伸ばす。ポルナレフも後ろから迫る車の運転席から伸びる花京院の腕を確認し、手を差し出す。
ポルナレフの横を通過する瞬間、お互いがっちりと腕をつかみ、花京院が引っ張りあげる。
そのままこの場を去っていった。
｢あ、危なかった…｣
心の中で、Aが安心のため息を一つついた。
｢ポルナレフ。本当に分かったのか｣
｢あ、あぁ…｣
しおらしくなったポルナレフは、視線を落とす。車が再発進してから数分。先程のホル・ホースの姿は完全に見えなくなっていた。それからというもの、ポルナレフへの説教タイムが続いていた。
Aが、花京院さんめっちゃ怖い顔してるなぁ、と考えていた次の瞬間、花京院がポルナレフの顔に肘打ちを食らわした。思わずAの顔が引き攣る。
｢ふぎゃっ｣
｢これは仲直りの握手の代わりだ、ポルナレフ…｣
｢あ、あぢがどう…｣
鼻血を出しながら声を絞り出す。
うっわ、いったそー…
Aは心の中で同情の念を覚えるのだった。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます！頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (
レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください！(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい！！ありがとうございます！嬉しいお言葉頂きました！これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`＊) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです！僕もこんな神作書いてみたい(´･_･`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます！そんな勿体ないお言葉を……！ありがとうございます、励みになります( ＾P＾) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 | 作成日時：2018年2月6日 19時
