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Episode 3 ページ6

「…行っちゃった」
後ろを振り返り、彼らの背中をみつめる。あの人は花京院さん。初めて聞いた名を忘れぬよう、頭の中で何度も繰り返した。

ふと、自分は何処へ行くべきなのかを考える。
そうだ。ノートに綴ってあった日記の通りに動けば__

刹那、Aの背筋が凍り、悪寒が走った。








「お、思い、だせない…?」

そう、何も覚えていないのだ。
旅に同行していた仲間の名前も、これから先起こる事柄も。みんなを救いたいという想いと、必ず“死”が訪れるという記憶だけを残し、綺麗さっぱり覚えていないのだ。

「どうしよう…」

これでは救いたくても救えない。いつ、どの場面で、誰がどのような死に方をするのか。それらが分かっていなければ、意味が無いではないか。

そんな中、一つだけ思い出す。


それは、日記を書いていた人物の死。


ひょっとしたら、ひょっとしたら…!







Aの頭には、一つの考えが浮かんでいた。
もしも日記を書いていた人物が彼らの元にいるのならば、私がここに来た意味は無くなる。
となると、私は日記を書いていた人物の役を果たすべきなのでは、と。

そうなると、Aはまず、“仲間”と合流しなければならない。しかし、日記に綴ってあったハズの合流の仕方も完全に忘却の彼方。更に、その日記の通りに事が運んでしまえば、Aも含めた仲間の死は確立されてしまう。ここからは完全に一人で、“運命を捻じ曲げた台本”を作らなければならなかった。


唐突に訪れた最初の試練。
それは素性も知らぬ男達の仲間になる事だった___







「多分、さっきの人達が言ってた“ポルナレフさん”を探せば、きっとRPGゲームのように道は開かれる…!」

沢山の人でごった返している道を、人々の合間を縫って走っていく。ただ闇雲に、“ポルナレフさん”を探して。

私の勘がこう言っている。
先程私に話しかけてきた男の人たちこそ、私が同行しなければならない旅のお方。それならば、まずは彼らの役に立ち、そこでお願いをするんだ。

私を旅に連れて行ってください、と。

段々と人々の波が緩和され、ようやく目の前が開けた。
次の瞬間、Aは立ち止まった。
いや、立ちどまらざるを得なかった。

銀色の髪が、まるで柱のように上に伸びているフランス人らしき人が、カウボーイのような人に銃口を向けられていたのだ。
こんな事態になっているのに、周りの人間は目もくれていない。

まるで、拳銃が見えていないかのように。

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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時

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