Episode 37 ページ40
刹那。
静寂を切り裂くけたたましい音が響いた。
敵スタンドはくるっと方向転換し、音の方へ飛んでいく。
その音は、死体と化した一人の男の腕時計から発生していた。
スタンドは無造作に男の腕を切り落とした。考えられないスピードと破壊力は、周りの人間を震撼させる。
｢ポルナレフ！こっちに走ってくるんじゃ！！｣
いつの間にか車の上に避難したジョースターが叫ぶ。アヴドゥルと承太郎も車の上で待機している。
ポルナレフは花京院を抱き抱え、そのまま走り出す。Aも全速力で後を追った。
とはいえ、ポルナレフは花京院を抱えている。普段よりもスピードはかなり落ちている。ここでAが本気で走ることは、すなわち二人を置いていくことになるのだ。
ポルナレフの足音を聞きつけ、またもスタンドがこちらに向かってくる。後ろから迫るスタンドは、ポルナレフの足をターゲットにしているらしい。
｢ポルナレフ！早く！｣
｢分かってるって！！｣
アヴドゥルがポルナレフを急かす。全速力で走るが、スタンドに追いつかれそうになる。
このままじゃ、ポルナレフさんが……！
｢おりゃあ！！｣
｢うわっっ！｣
車まであと十数メートル。
Aは力の限り、ポルナレフの背中を押した。
波紋の力で回復しながら、関節を外して。
今まででこんなに人を押したことがあっただろうか。普通の人間には真似のできない芸当を使って関節を外し、普段よりも長い距離突き飛ばす。
考えられない程の威力で背中を突き飛ばされたポルナレフは、そのまま車に向かってすっ飛んでいく。
そんなポルナレフと、抱えられていた花京院の腕を承太郎とアヴドゥルが掴み、思い切り引き上げた。
｢い、今俺の背中を押したのってAか……？凄い勢いで飛ばされたぞ……？｣
｢今のは波紋の力のおかげじゃ。腕の間接を外してお前さんを突き飛ばしたんじゃよ｣
ジョースターはポルナレフに向き直り、答える。少し自慢げな表情を浮かべながら。
｢かかかかかか、関節を＿＿＿｣
ポルナレフの驚きの声は、しかし次の光景によって中断された。
｢A！危ねぇ！！｣
車まであとほんの数メートル。
承太郎が叫んだ。後ろから追いかけていたスタンドが、Aに追いついたのだ。Aは後ろを向かず、前を向いて走り続ける。
先程と同じように爪を立てたスタンドは、地を蹴り、宙を舞う。
そして、そのままAの背中を切り裂いた。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます！頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (
レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください！(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい！！ありがとうございます！嬉しいお言葉頂きました！これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`＊) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです！僕もこんな神作書いてみたい(´･_･`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます！そんな勿体ないお言葉を……！ありがとうございます、励みになります( ＾P＾) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲 | 作成日時：2018年2月6日 19時
