Episode 31 ページ34
「エジプト舐めてた」
「俺も」
Aの漏らした独り言に、ポルナレフが賛同する。
海底で襲いかかってきたスタンド、ハイプリエステスを見事倒し、なんとかエジプトに上陸した一行。
またも皆に守られてばかりだったAだったが、今回ばかりはいつも通りには行かなかった。
的確な指示を飛ばし、被害を最小限に抑え、一人一人のサポートを怠らず、最後まで皆に寄り添う。
自分に出来る限りのことをやり尽くし、Aは少し上機嫌だった。
この調子で最後まで突っ走ろう!
そう意気込んだ矢先だった。
「何この暑さ…」
「流石エジプトですね。紫外線の強さが並ではない」
弱音を一切吐かない花京院でさえ、へこたれるAを気の毒そうに見つめた。
新しい仲間、と聞いて、普通なら何を思い浮かべるだろうか。
屈強な男?魅惑の女性?
それとも“猛獣”?
Aは首を傾げながら天井のない外車に乗っていた。直射日光が一行を襲う。
今日、新たな助っ人が仲間に加わるらしい。
「強い」と連呼するアヴドゥルとジョースターの言う通りならば、きっと屈強な男が仲間になるのだろう。
「そろそろ着くはずじゃ」
そう言いながら外を眺めるジョースター。
Aの胸には、また不安が募るばかりであった。
また自分の存在意義が、掠れてしまう。
またみんなの足を引っ張るかもしれない。
手に握っていたコーラの瓶を強く握りしめた。
__弱音を吐いてる場合じゃない!
その時だった。
手元が一瞬、虹色に輝いた。未開封のコーラ瓶の蓋が、中身と共に勢いよく発射される。蓋はそのまま車外へ消え、中身はあまりの暑さにすぐ蒸発してしまった。
「うわわわわわ!!」
あまりに唐突な現状に、誰もが腰をぬかす。
「おいおいおい!中身が膨張でもしたのか?!」
「服は濡れてないか!」
ポルナレフと花京院が、Aに訪ねる。
「だ、大丈夫です……?」と半分疑問形で答える中、承太郎とアヴドゥル、そしてジョースターだけはこの現状を一瞬で理解した。
「波紋…か?」
「え…?」
承太郎の呟きに、ジョースターは口角を上げた。
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時