Episode 30 ページ33
結論から言うと、ポルナレフは帰ってきた。彼の中で“死人”であったアヴドゥルと共に。
みんなの前に姿を現したポルナレフは、見事な程にボロボロであった。新手のスタンド使いによって付けられた傷らしいが、彼にとってそんなことはどうでもいいらしい。
死んでいたハズのアヴドゥルとの再開。ポルナレフはみんなの喜ぶ顔が見たかったらしいが、みんなはアヴドゥルが生きている事は勿論知っていた。
いつも通りの軽い挨拶で済ませようとしたみんなに、ポルナレフは驚きの声をあげた。
「おいッ!アヴドゥルが生きてたんだぜ!?」
ポルナレフの情けない顔と声はいつまでも忘れることはないだろう。
ポルナレフに事情を説明し、納得してもらったところでジョースターが頼んだ潜水艦に乗り込む。
中はとても広く、正直ここに住みたい欲求まで湧いてくる。
ポルナレフのはしゃぎ方は、子供だった。
操縦桿を握り、楽しそうに声を上げる。
承太郎も溜息をつきながらも、窓の外の魚に目を輝かせていた。
Aは意を決し、窓の外を眺めていたジョースターに声をかける。
「ジョースターさん、ジョースターさん」
「ん?なんじゃ?」
ズボンの裾を引っ張るAを視界に入れると、ニコッと微笑んで膝を曲げる。Aは彼の目をみつめながら、こう聞いた。
「何の力もない私でも、“波紋”を覚えることはできますか?」
ジョースターは少し驚いたように目を見開くと、すぐに笑顔を作ってこう言った。
__さっきのような優しい笑顔ではなく、凛々しい笑顔で。
「あぁ。本人の意思さえあれば、な」
「__私はここでみんなと別れるべきかな」
Aの哀しげな瞳は、言葉以上の辛さを物語っていた。
切羽詰まったAに、しかし花京院はこう言ってくれた。
「どんなに力が無くても、そばにいてくれるだけで心強いものだよ」
彼が言うのだから、それはなんの偽りもない本音なのだろう。Aは少しだけ安心する。
それでも、Aの決断が下るわけでは無かった。
花京院に連れられてみんなの元へ戻ると、そのタイミングでポルナレフとアヴドゥルが戻ってきた。
そこでもやはり温度差を感じた。
ポルナレフはボロボロになってまで敵と戦っているのに、私はまだ血で汚れたことがない。
でも、Aの決意は次第に固まっていった。
劣等感に苛まれ、自責の念に潰されるより、“みんなについて行き、役立つことを最優先に考える”と__
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東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» 応援ありがとうございます!頑張ります(*^^*) (2018年9月15日 0時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - 頑張ってください!(^^) (2018年9月14日 21時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - 海守青空別垢さん» わあああい!!ありがとうございます!嬉しいお言葉頂きました!これからも何卒宜しく御願い致します(´ー`*) (2018年9月3日 14時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
海守青空別垢 - この作品大好きです!僕もこんな神作書いてみたい(´・_・`) (2018年9月3日 10時) (レス) id: b3f5a03222 (このIDを非表示/違反報告)
東雲(プロフ) - もちこさん» コメントありがとうございます!そんな勿体ないお言葉を……!ありがとうございます、励みになります( ^P^) (2018年8月27日 22時) (レス) id: cea307c8ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲 | 作成日時:2018年2月6日 19時