寂しい（1） ページ40
Abe side
その日は前々から会おうね、と約束をしていた日。
しかし、撮影が機材トラブルや台本不備等で思ったよりも長引いてしまい、結局仕事場を出た時、時刻は23時になろうとしていた。
A：今、仕事終わったよ！
A：今日は亮平くんの家に行くね！
というLINEが入っていたのは18時。
バタバタしていて既読もつけていなかったメッセージ。
また寂しい思いさせちゃったな、と車の外を見ながら少し反省。
家の前までマネージャーに送ってもらい、少し早足で玄関を開ける。
ただいま、と声をかけてもいつものように出迎えてくれるAの姿がない。
そっと寝室を覗くと、Aの無防備な寝顔。
随分昔に｢私、寝る時はどう頑張っても口が開いちゃうの…｣と悲しそうに恥ずかしそうに言われた事がある。
今も少しだけ口が開いて、俺からしてみれば世界一可愛い寝顔。
触れたい気持ちや写真に収めたい気持ちを沈めて、静かに寝室を後にする。
寝る準備を全部終わらせて、少しだけとクイズの勉強を始める。
しばらく集中してやっていると、亮平くん？と可愛い声。
リビングの扉で眠そうに目を擦りながら、立っているAの姿が目に入る。
緑｢あ、ごめん。起こしちゃった？｣
｢んーん。大丈夫。おかえりなさい｣
いつもよりゆっくりめに話ながら、こちらにトコトコと近づいてくる。
緑｢どうした？｣
｢…んー？今日はもう会えないかと思った｣
寝起きでまだ眠たいAは甘えたような口調で話す。
普段はしっかりしてるAから出るそのギャップがまた可愛い。
トコトコと近づいてきたかと思えば、無理やり俺の膝に向かい合うように座り、ギュッと抱きついてきた。
これはさすがの俺もびっくり。
緑｢どうしたの？！｣
とちょっと声を張れば、
｢勉強していーよ｣
なんて聞く耳持たず。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3468人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廉樹(プロフ) - Sayukiさん» 貴重な意見ありがとうございます！続編の方で書かせてもらいます！ (2020年6月14日 10時) (
レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
Sayuki(プロフ) - いつかできたらでいいので裏も入れて欲しいです (2020年6月10日 1時) (レス) id: a707041684 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの - 阿部担ですが、阿部ちゃんが阿部ちゃん過ぎて、そしてとてもお似合いで、こんな彼女ならいてもいいなって思っちゃいました(笑 元気貰ってます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2020年4月17日 18時) (レス) id: 76e9874d53 (このIDを非表示/違反報告)
廉樹(プロフ) - 佐々木さん» 嬉しいです！ぜひお願いします！ (2020年4月15日 11時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - 廉樹さん» 私は今Twitterでおすすめの作品を紹介させていただいています。そこで「阿部と彼女」を紹介してもいいですか？ (2020年4月15日 8時) (レス) id: e312adaa83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：廉樹
| 作成日時：2020年4月8日 11時
