深澤の悩み（3） ページ28
そうメンバーに伝えながら、Aの姿を思い出す。
ムカついた事があった時にグッと我慢する表情が一生懸命で、つい笑みがこぼれてしまう事をたぶんAは知らないんだろうな。
理不尽に俺に当たらないように、一生懸命俺を避けるAも、なんだか余裕のないAも全部好きなんだよな。
｢亮平くん、座って｣
と俺を目の前に座らせて、背筋をピンとさせる。
｢勘違いだったらダメだから、確認ね。今日、カフェで勉強してた？｣
緑｢うん｣
｢誰と？｣
緑｢1人だけど…｣
｢ほんと？｣
緑｢うん｣
｢私さ、今日、外出の仕事があってたまたま見かけたの。女の子と居たところ。嘘ついてない？｣
そう言うAの手はギュッと握られていて、今すぐ問い詰めたいのを我慢していた。
でも、当の俺は思い当たる事が本当に何もなくて困り果てる。
緑｢それ何時頃？｣
｢お昼すぎだから、2時とか｣
そう言われて再度、記憶を遡ってみる。
すると、1つだけ思い当たる節に行きあたった。
緑｢あ、知り合いのスタッフさんが声かけてくれたんだ｣
｢…そう。スタッフさん…｣
そう言うとギュッと握られていた手からフッと力が抜けるのが見てわかる。
緑｢10分くらいかな？確かに隣に座って話した。ごめん｣
そう言って頭を下げると慌てて顔をあげてという。
｢謝ることなんてないよ。ちょっと疑っちゃったの。私の方がごめん｣
すると俺と同じようにペコッと頭を下げる彼女が無性に愛おしくなった。
数年前の秋。
紫｢俺にはできない｣
ふっかの声で優しい思い出の中に居た俺は、現実世界へと引き戻される。
緑｢だから、真似なんてしなくていいよ！｣
ありのままが1番なんだから。と付け加えてみたら、阿部のくせにとメンバーが俺をいじる。
紫｢また相談するわ｣
緑｢何の役にも立たないよ？｣
青｢まぁ、阿部はなんて言うかなくらいの感覚で聞くだけだよ｣
緑｢そうしてくれるとありがたいわ笑｣
橙｢俺はみんなにするな！｣
赤｢俺は絶対しない｣
橙｢え〜、ダテはつれんな〜｣
黒｢俺もたぶんしねぇな｣
桃｢おい、俺ならいくらでも聞いてあげるぞ！｣
白｢佐久間くんが1番ダメ笑｣
自粛期間でも笑いが耐えないのは、メンバーのおかげ。
盛り上がるメンバーを横目に指をスライドさせる。
阿部：俺、やっぱAの事好きだわ
しばらく後に、戸惑いLINEが来るのも全て想定済みで。笑
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3468人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廉樹(プロフ) - Sayukiさん» 貴重な意見ありがとうございます！続編の方で書かせてもらいます！ (2020年6月14日 10時) (
レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
Sayuki(プロフ) - いつかできたらでいいので裏も入れて欲しいです (2020年6月10日 1時) (レス) id: a707041684 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの - 阿部担ですが、阿部ちゃんが阿部ちゃん過ぎて、そしてとてもお似合いで、こんな彼女ならいてもいいなって思っちゃいました(笑 元気貰ってます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2020年4月17日 18時) (レス) id: 76e9874d53 (このIDを非表示/違反報告)
廉樹(プロフ) - 佐々木さん» 嬉しいです！ぜひお願いします！ (2020年4月15日 11時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - 廉樹さん» 私は今Twitterでおすすめの作品を紹介させていただいています。そこで「阿部と彼女」を紹介してもいいですか？ (2020年4月15日 8時) (レス) id: e312adaa83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：廉樹
| 作成日時：2020年4月8日 11時
