検索窓
今日:4 hit、昨日:51 hit、合計:925,715 hit

テレビ電話(1) ページ24

Abe side





「やっほー」


彼女が手を振っている。

お風呂上がりの火照った顔に、ドライヤーで乾かしたばかりのサラサラの髪、そして首元が少し開いたパジャマ…。


手を伸ばせば届きそうなのに、届かない。

彼女はスマホの画面の中。



緑「やっほー」

久しぶりに見た彼女の姿にドキドキとうるさい心臓を落ち着かせ、平然を装いながら、同じ言葉を返す。



「なんか久しぶりだね!」


確かに。
最後に顔を合わせたのは、4月の始め頃だった。

そこから約2週間。


デビュー発表以来、このくらい顔を合わせないのは普通だったが、今は暇な時間があるだけに、いつもより会わない時間が長く感じてしまう。



緑「ほんとだね。」

「今日は仕事なかったの?」

緑「中国語のレッスンはあったけど、それ以外は何も。Aは?」

「相変わらず在宅ワーク。なんかリモートワークって慣れないし、無駄に神経使って逆に疲れる」



電子機器にあまり強くないAは在宅ワークが始まってすぐの頃から、不満タラタラだ。

戸惑いながら困ったように、そして必死にリモートワークをするAの姿を想像する。



緑「すぐ慣れるよ」


想像の中のAがあまりに可愛くて、少し笑ってそういうと、少しプクッと頬を膨らませて、「今、ちょっとバカにしたでしょ」と可愛く怒る。



緑「バカにしてないよ。俺も大変だから、気持ちは分かるよ。それに、苦戦してるAを思い浮かべたらちょっと可愛くて」

「…も〜、亮平くんきらーい」

緑「なんで?!」

「だって、平気でそんな事言うんだもん」



彼女が嫌いと言う時は大体の場合が照れ。
冗談まじりのその言葉にもう傷つくことはない。



緑「平気じゃないよ」

「それは嘘だ!そういうドキッとするセリフは言い慣れてるでしょ?」

緑「言い慣れてないよ。Aだけだから。こんなに可愛いと思うのも、愛おしいと思うのも」



そう言うとまた、ムスッとした顔で、ずるいと小さく呟く。


「私も亮平くんの事ドキッとさせたい!」


君は知らないんだろうな。
いつもそばにいてくれるだけで、ドキドキしてる事を。


どんどん綺麗になっていくAにいつまで経っても慣れない。



緑「ふふ笑
それは至難の業だよ?笑」


だけど、君の前だけでは余裕で居たいから。
少しだけ強がらせて。

テレビ電話(2)→←困り顔(4)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (754 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3468人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 阿部亮平
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

廉樹(プロフ) - Sayukiさん» 貴重な意見ありがとうございます!続編の方で書かせてもらいます! (2020年6月14日 10時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
Sayuki(プロフ) - いつかできたらでいいので裏も入れて欲しいです (2020年6月10日 1時) (レス) id: a707041684 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの - 阿部担ですが、阿部ちゃんが阿部ちゃん過ぎて、そしてとてもお似合いで、こんな彼女ならいてもいいなって思っちゃいました(笑 元気貰ってます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2020年4月17日 18時) (レス) id: 76e9874d53 (このIDを非表示/違反報告)
廉樹(プロフ) - 佐々木さん» 嬉しいです!ぜひお願いします! (2020年4月15日 11時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - 廉樹さん» 私は今Twitterでおすすめの作品を紹介させていただいています。そこで「阿部と彼女」を紹介してもいいですか? (2020年4月15日 8時) (レス) id: e312adaa83 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:廉樹 | 作成日時:2020年4月8日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。