困り顔（3） ページ22
緑｢A？｣
ノックをして寝室に入るとベットに座って、本を読んでいるAの姿
｢あれ？もう終わったの？｣
俺の罪悪感とは裏腹に、ケロッとした顔でこちらを見る
なんだかホッとしたと同時に気が抜けてしまった。
緑｢ううん。まだ｣
｢どうしたの？｣
小首を傾げてそう聞いた後に慌てて
｢あ、いくら亮平くんのお願いでも顔出しはできないからね｣
と必死に抵抗する。
その姿がなんだか小さい子どものようで、可愛くてつい笑みが零れてしまう。
緑｢大丈夫だよ。そんなのしなくて｣
｢でも、なんか感じ悪かったかな？｣
緑｢大丈夫大丈夫。そんなんで怒るような奴らじゃないよ｣
｢ならいいけど…｣
俺が言ってもまた困り顔を見せる。
その顔に俺はとても弱い。
困らせたいわけじゃないだけに、心が痛くなる。
｢じゃあ、どうしたの？メンバーさん待たせてるんじゃないの？｣
緑｢うん｣
頭の上にハテナを浮かべ、その大きな目が俺を捉えて離さない。
緑｢悪かったなと思って｣
Aの視線から逃げるように、目を逸らし俯く
すると、ふふっとおかしそうに笑う声が聞こえた。
顔をあげると口に手を当ててクスクス笑ってるAが目に入る。
今度は俺の頭の上にハテナが浮かぶ。
緑｢…なに？｣
｢やっぱり亮平くん好きだなって思って笑｣
ニコッと笑った顔で俺を見つめてそう言う。
ありえないくらいのスピードで心臓が動き出す。
なのに、言った本人は余裕そうにいまだに微笑む。
なんだかそれがとても悔しい。
緑｢急だね笑｣
自分もなんとか余裕を見せたくて少しぎこちなく笑う。
だけど、そんな努力も君の前だととても無力だ。
｢大好きだな〜｣
だって、こんな事を呟くから。
緑｢…え｣
｢亮平くんは何も悪くないのに、わざわざメンバーさん待たせてまで、来てくれたんでしょ？そんな優しい人居ないよ。私は、亮平くんのかっこよさにも惚れたけど、その優しさに1番惚れたんだよ｣
亮平くんは最高だねって笑顔で言うAを思わず抱きしめる。
Aはえっ、と困惑したように俺の腕の中で固まってしまった。
緑｢そんな可愛い事言わないでよ｣
耳元で呟けば、たちまち耳が真っ赤に染まる。
1度離して顔を見ると、もうそこには余裕そうに微笑むAの姿はなかった。
耳と同じくらい顔を真っ赤に染めたAが目に映る。
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廉樹(プロフ) - Sayukiさん» 貴重な意見ありがとうございます！続編の方で書かせてもらいます！ (2020年6月14日 10時) (
レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
Sayuki(プロフ) - いつかできたらでいいので裏も入れて欲しいです (2020年6月10日 1時) (レス) id: a707041684 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの - 阿部担ですが、阿部ちゃんが阿部ちゃん過ぎて、そしてとてもお似合いで、こんな彼女ならいてもいいなって思っちゃいました(笑 元気貰ってます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2020年4月17日 18時) (レス) id: 76e9874d53 (このIDを非表示/違反報告)
廉樹(プロフ) - 佐々木さん» 嬉しいです！ぜひお願いします！ (2020年4月15日 11時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - 廉樹さん» 私は今Twitterでおすすめの作品を紹介させていただいています。そこで「阿部と彼女」を紹介してもいいですか？ (2020年4月15日 8時) (レス) id: e312adaa83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廉樹
| 作成日時：2020年4月8日 11時
