デビュー後（2） ページ2
帰宅した私はそのまま玄関に座り込む。
真っ暗な虚しいその空間を見て、涙がスーッと頬を伝う。
どうしたらいいんだろう。この開いてしまった距離はもう二度と埋まることはないんだろうか。
次から次へと出てくる涙をもう私は止めようとしない。
床にはもういくつも水滴。
鞄を漁り、スマホを取り出し電話のマークをタップする。今度はすぐに出る電話。
緑｢もしもし、どうした？｣
変わりない声。優しくてどこか落ち着く声。
｢亮平くん、ごめん……もう…限界なの。｣
泣きながらその声にすがるかのように想いを言葉にして紡ぐ。
緑｢待ってて｣
電話からそれだけ聞こえると無音の世界に戻る。
スマホの明かりだけが浮かび上がる。
どれくらい経ったのだろう。真っ暗なその先の部屋に進む気力がなく、とめどなく流れる涙もそのままに、私は暗闇と一体化する。
ガチャっと後ろで音がして、マンションの廊下の明かりが部屋に差し込むと同時にギュッと包まれる。
緑｢ごめん｣
その声、その匂い、その感触…そのどれもが私の求めていたもので、胸がギューッと締めつけられる。
緑｢A｣
大好きな声が私の名を呼んでくれる。
緑｢なんでこんなになるまで我慢したの。会いたくなったらちゃんと言って、って言ったよね？｣
｢…迷惑かけたくなかったの｣
緑｢迷惑じゃないよ。勝手に我慢されて無理される方が迷惑だよ？｣
私の顔を自分の胸板に押し当て、トントンと一定のリズムで優しく背中を叩いてくれる。
緑｢忙しいを言い訳にして会いに来れなかった。ごめんね。｣
優しい優しい彼はそっと私を抱き上げて、リビングに移動し、ソファへ下ろしてくれる。
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廉樹(プロフ) - Sayukiさん» 貴重な意見ありがとうございます！続編の方で書かせてもらいます！ (2020年6月14日 10時) (
レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
Sayuki(プロフ) - いつかできたらでいいので裏も入れて欲しいです (2020年6月10日 1時) (レス) id: a707041684 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの - 阿部担ですが、阿部ちゃんが阿部ちゃん過ぎて、そしてとてもお似合いで、こんな彼女ならいてもいいなって思っちゃいました(笑 元気貰ってます。これからも更新楽しみにしてますね。 (2020年4月17日 18時) (レス) id: 76e9874d53 (このIDを非表示/違反報告)
廉樹(プロフ) - 佐々木さん» 嬉しいです！ぜひお願いします！ (2020年4月15日 11時) (レス) id: 64321f42bc (このIDを非表示/違反報告)
佐々木(プロフ) - 廉樹さん» 私は今Twitterでおすすめの作品を紹介させていただいています。そこで「阿部と彼女」を紹介してもいいですか？ (2020年4月15日 8時) (レス) id: e312adaa83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廉樹
| 作成日時：2020年4月8日 11時
