私の彼氏（1） ページ1
You side
｢はぁ。｣
上司｢なに？どうした？ため息ついたら幸せ逃げるぞ｣
会社にある自分のデスクで盛大にため息をつくと、隣の席の先輩がすかさず言ってくる
｢思うんですけど、ため息ってもう幸せが逃げちゃったからするんじゃないんですか？｣
私の問いに先輩は苦笑い
私、生田Aは某大手企業に務める26歳OLの独身だ
今日は2週間ぶりに彼氏に会う。
そんな日に限って、残業だ。
自分に嫌気がさして心でもう一度ため息をつく
定時の5時半を少し回って、大半の人が帰り支度を始めた。私のパソコンを打つ手もどんどん早くなる。
死にものぐるいで終わらせ、時計を見るとまだ6時を少しすぎたあたり
｢お先に失礼します｣
先ほど苦笑した隣の先輩に声をかける。
上司｢え？！早くない？！｣
｢気合いと根性ですよ！｣
それだけ言い残して颯爽と会社を出る。
会社を出てすぐの駅のホームまで来て、スマホの画面をみる
新着メッセージが1件
阿部：今日は8時くらいになりそう
彼氏からのメールだ
A：ごはんは？
それだけ返すとイヤホンを取り出し、音楽アプリをタップする。
来年になればここに新しい名前が加わる"SnowMan"
不思議な感覚だ。
彼氏の歌声がイヤホン越しに聞こえるというのは。今からワクワクが止まらない。
と、タイミングよく電話がかかってきた。
発信者はもちろん阿部
｢もしもし｣
緑｢ごめん、今大丈夫？｣
電話の向こうで1ミリも大丈夫？と思ってなさそうな声で聞いてくる
｢大丈夫じゃないかも｣
緑｢は、え、え、ごめん｣
そういうと動揺したように、慌てる。電話越しにでも分かる慌てよう。
｢ふふ、嘘だよ。どうした？｣
緑｢なんだよ、嘘かよ。｣
次はホッとしたような声を出す。彼は本当に面白い。
緑｢今日のごはんは何にする予定なの？｣
この問いをする時は、今ケータリングのごはんを出されているけど、私が作るメニューによって食べるかどうか決める時なのだ。
｢ん〜、まだ決めてない。今日のケータリングは？｣
緑｢今日は……あ、オムライスだ｣
｢じゃあ、オムライス作る｣
緑｢分かった！じゃあ、俺の分も用意しといて｣
ちょっと困らせようと思って、あえてケータリングと同じメニューを言ったのに、つくづく彼には敵わない。
元に戻った画面を見ながら、頬が綻ぶのが分かる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すりる - 美紀さん» そのユザネは本名？危ないと思うけど… (2023年4月7日 23時) (
レス) @page37 id: 31ec9bccd0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - はじめまして！阿部ちゃんの声がそのまま聞こえてきます〜主人公もリアルで感情移入できすぎます…これからも応援してます。 (2020年4月7日 2時) (レス) id: 2181ddfc07 (このIDを非表示/違反報告)
#阿部のあかねﾁｬﾝ。 - はじめまして~!!めちゃくちゃキュンキュンします!なんかそのまんま亮平くん!って感じで凄い好きです! 更新頑張って下さい!! (2020年3月28日 21時) (レス) id: e876265565 (このIDを非表示/違反報告)
mikky(プロフ) - 初めまして！お話一気読みさせていただきました^ ^お話のなかの阿部ちゃんがリアルすぎてキュンが止まらないです！またの更新待ってます^ ^ (2020年3月26日 3時) (レス) id: 27e731af2f (このIDを非表示/違反報告)
ojamashimasu3(プロフ) - はじめまして。お話読ませていただきました！日常感がたまりません。きゅんきゅんします。続きが楽しみです、応援しています。 (2020年3月20日 23時) (レス) id: e6f055e37f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：廉樹
| 作成日時：2020年3月20日 2時
