夢（1） ページ11
Abe side
｢亮平くん。別れよ｣
真剣な顔で何を言うかと思えば、そんな笑えない冗談。
緑｢…え！いや、何の冗談？｣
｢冗談じゃなくて本気｣
緑｢…待ってよ。俺は嫌だよ。別れるなんて｣
隣に座るAの手を必死に掴んで抵抗をすれば、見たこともない冷たい目でこちらを見る。
｢離して｣
その声も全部冷めきっていて、グサッと胸に刺さる。
緑｢ねぇ、待って！俺にいけないところがあるなら直すから！お願い！｣
俺の抵抗も願いも何もかも虚しく消え去って。
｢亮平くんの事もう好きじゃないの。亮平くんと居ても幸せになんかなれない｣
｢アイドルの彼女なんていい事ない。めんどくさい。｣
彼女の言葉が次から次へと俺を刺してくる。
Aの腕を必死に掴んでいた手にでさえ力が入らなくなって、パタッとソファに落ちる。
何も言えない。
だって事実だから。
デートもろくに行けないし、誕生日やクリスマスだって一緒に居てやれない。
仕事も不定期で、会う事さえままならない時だってある。
それでも。
緑｢…なんで？分かってくれてると思ってた…｣
｢理解はしてるけど、頭と心は違うの。亮平くんの彼女になってよかった事なんて一度もない｣
叫ぶように言い捨てた彼女は、カバンを持って出ていく。
待って、と追いかけても冷たい目で俺を一瞥してまた歩き出すから追えない。
俺の部屋に虚しく残る彼女の物を見て、涙が頬を伝う。
緑｢行かないで｣
1人の部屋で呟いたそれは誰の耳にも届かず消えた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4042人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
廉樹(プロフ) - そらさん» すみません。インスタはやっていたのですが、思うように更新できずアカウントを消してしまいました。今はもうやってないです。続編があるとするならこちらのサイトで引き続きやると思いますので、その時はよろしくお願いします！ (2022年6月28日 23時) (
レス) id: 641f29266f (このIDを非表示/違反報告)
そら(プロフ) - 懐かしくなり見返しにきました。インスタを知りたいのですがまだやってますか？ (2022年6月28日 9時) (レス) @page45 id: e394cf2a3d (このIDを非表示/違反報告)
@saku_ra(プロフ) - after storyを見てみたいです。お願いできますか？ (2022年6月15日 23時) (レス) @page45 id: 103108e9a9 (このIDを非表示/違反報告)
春菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！本当毎回更新されるのが楽しみでした！インスタで番外編ありがとうございます。インスタ鍵ですが、フォローしてこれからも読ませていただきます！ (2020年8月2日 23時) (レス) id: 3380e8f883 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるるぷ(プロフ) - 完結おめでとうございます！高評価押しても押しても足りないくらいの素敵な作品でした、ありがとうございました！！ (2020年8月1日 13時) (レス) id: b8eca29634 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：廉樹
| 作成日時：2020年7月8日 23時
