112話 ページ23
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『美味しかったねー』
「次、どこ行きたい？」
『うーん…さっきの大通り回りきれてなかったし、もっかい行く？』
「ああ」
会計のためにお財布を取り出す。
「あ、もう払ったぞ」
轟くんの涼し気な顔と共に落とされた爆弾発言に思わず石化する。
『え、いつの間に……？』
なんとお手洗いに行っている時に払ってくれていた。
イケメンだ………………！！！
『体育祭引き分けだったから割り勘だねって言ってたじゃん…』
「気にすんな」
『するわ！！！』
ちょっと店員さん、そんな微笑ましげな顔で見ないで。
『……ありがと、轟くん』
「ああ」
・
とりあえずお店を出て再び大通りにやってきた。
『さっきより人多いね』
「昼間だから混んでんな」
『だね。あ、人酔いとかしない？大丈夫？』
「大丈夫だ」
『良かった。じゃ、行こっか！』
進み始めた瞬間に人混みに流されそうになる。
『うおおお、轟くんんんん』
クイッと腕を引っ張られお胸にダイブ。
あ、なんかデジャブ。
「前にもあったな」
『だね』
あの時の委員長は本当に面白かった。
電気のうぇーい顔ぐらい面白かった。
「ん」
とりあえず大通りで抱き合ってはいられないので轟くんから離れると手を差し出される。
ん？？なんだ？？？
「はぐれると、アレだしな」
キュッと手を握られる。
わ、わ、わ、柄にもなく照れるんですけど。
『あ、え、あ、うん』
「……緊張してんのか？」
『……緊張、緊張？かな？わかんないけど』
「なんだそりゃ」
ふっと少し微笑む轟くんはこの上なくイケメンでした、まる。
『(なんか、胸がキュッてなる…なんで？？)』
「(自分から手繋いだのはいいけど、俺もなんか緊張するな……)」
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作者名：オクラ | 作成日時：2019年7月12日 8時
