轟くんは仲間 (ページ16)

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105話ページ16

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『だから、胸張って会っておいで。
きっと大丈夫だから』

スっと拳を出すとぎこちなく轟くんがコツンと自身の拳を当ててくる。

『よし！頑張れ！』

「ああ」

ひらひらと手を振り、轟くんの背中を見送ったら私も母の病室へ足を踏み入れた。

『お母さん』

返事は返ってこない。穏やかに、眠ってる。

『お花、置いとくね。

お母さん、私、雄英で体育祭があってね。

3位だったんだ。お母さんにちょっとでも元気になって欲しくて頑張ったんだよ。

だから、だからさ＿＿＿＿＿＿＿＿

早く、目、覚まして……………………？』

声がどんどん力なく消えていく。

母の手を優しく包む私の手の甲に雫が1つ、落ちた。

駄目だ。こんなんじゃ、お母さんもお父さんも心配させちゃう。

そう思い、気分転換がてらに自販機に行こうとドアを開けた。

『……あ』

「…………今、暇か」

『え？まぁ、暇っちゃ、暇？』

「そうか」

グイッと手を引っ張られ、轟くんのお母さんの病室へ連れられる。

待て待て待て。心の準備をさせてくれ！！！

…………………………入ってしまった。

顔をゆっくり上げるとそこには白い髪をした女性が窓の近くの椅子に座りながらこちらを見ていた。

「あなたが雷風さん？」

『へ？！あ、はい……』

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