轟くんはクラスメイト (ページ38)

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37話ページ38

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「えー、始める前にお小言を1つ、2つ、3つ、4つ…………」

(((((増える………………！)))))

「皆さんご存知だとは思いますが、僕の個性は″ブラックホール″。
どんなものでも塵にして吸い込んでしまいます」

「その個性でどんな災害からも人を救い上げてるんですよね？！」

緑谷くんがそう聞くと隣のお茶子が頷く。

「ええ。しかし人を簡単に殺せる力です。
皆の中にもそういう個性の人はいるでしょう」

13号先生の言葉に自分の手を見つめる。

私の個性も十分危険だ。

「相澤先生の体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、オールマイト先生の対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います」

確かに私の風と雷は轟くんじゃなきゃ受け止められなかったよね。

「この授業では心機一転！
人命のために個性をどう活躍させるかを学んでいきましょう！
君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。
助けるためにあるのだと心得て帰ってください！

以上、ご清聴ありがとうございました！」

ペコリと13号が頭を下げると同時に湧き上がる歓声と拍手。

そんな賑やかなムードに私もニコリと笑うが、どうも顔がひきつる。

ダメだなー。助けるってワード聞くとフラッシュバックしちゃう。

「おい」

『？？どうしたの轟くん』

「なんかあったのか」

『…へ？』

「なんか、いつもとちげえ」

『人命救助訓練で緊張してるのかも』

「…………そうか」

めっちゃ怪しそうにこちらを見る轟くん。

昔のことでしょ。もう乗り越えないと。

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