傷付けたくない ページ48
須貝side
「……あれ?駿貴くん?」
須「…え?」
名前を呼ばれて振り返ると、高校時代同級生だった三河が立っていた。特別仲が良かったわけではないけど、思い返してみればよく話しかけられていたような気がする。
三「やっぱり駿貴くんだ!こっち戻ってきてたんだね!」
須「おー久しぶり。高校以来?」
三「そうだよ〜同じ大学行けると思ってたのに勝手に東大行っちゃうんだもん!」
悪かったよ、と苦笑いすると彼女は少し考えた素振りを見せ、閃いたと言わんばかりに目を見開いた。
三「勝手に東大行ったお詫びに、今日は4人で回ろ!」
いいでしょ?と聞いてくるがあいにく俺はAちゃんと回る。
須「悪いけど今日は連れが……ってあれ?」
後ろにいたはずのAちゃんがいない。辺りを見回してみるが近くには見当たらなかった。
「さっきあっちの方に歩いてったぞ」
そう指差された方を見るが人が多すぎてAちゃんを特定することができない。キョロキョロしていると三河が俺の手を取った。
三「きっと駿貴くんと別行動したかったんだよ!ね?だから私たちと回ろ?」
猫撫で声で俺を見上げる三河。このアングルのAちゃん絶対可愛いな、なんて考えてたら人混みに押され、元々話していたところから少し離れたところまで移動してしまった。
須「わりぃ、俺ほんとに戻らないと…」
三「やだ!だって久しぶりに会えたんだよ?その子とは東京でも会えるんでしょ?今日は私たちといてよ!」
須「東京でも会えるとか、そんなん関係ないんだわ。俺は…もうあの子を傷つけたくない」
三河の腕を振り払って人混みの中に戻る。地元の友達減るかな。昔から三河の情報発信力すごかったもんな。まあ加賀あたりは大丈夫だろうけど。
人波をかき分けて探し回るけど見つからない。似てる人を見かけることはあっても連れがいたり背格好が違かったり、本人ではなかった。
須「どこ行ったの…」
ふと、加賀の言葉が脳裏に浮かんだ。
加「須貝くん、Aちゃんかわいいんやからナンパされんように気をつけなさいよ」
たしかに浴衣を着たAちゃんはいつもより何倍も綺麗だった。俺がいれば虫除けにもなるだろうけど1人だったら…?あの子は足が速いわけでも力が強いわけでもない。それなりの体格の男に迫られたら逃げられないだろう。
須「くそっ…!」
どこ行っちゃったの、Aちゃん_______
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雪音(プロフ) - 悠任ーユウジンーさん» コメントありがとうございます!浜玲と絡めたお話書けて楽しかったです…!これからもちまちま更新していけたらと思ってるので気長に待っていただけたら幸いです(?) (2020年8月1日 17時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
悠任ーユウジンー(プロフ) - ゆーふぉ。さんのお話も追っていたんでめっちゃ面白かったです!最後の2人のやりとりが特に好きです笑。頑張ってください! (2020年8月1日 17時) (レス) id: 52402c6072 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 流風 凛々葉さん» コメントありがとうございます!これからも番外編とか出せたらいいなと思ってるので気長に待っていただけたら嬉しいです! (2020年7月9日 12時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
流風 凛々葉(プロフ) - めちゃよき!面白かったです!! (2020年7月9日 8時) (レス) id: 329c17e7b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪音 | 作成日時:2020年6月22日 12時