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須貝side
須「…⁉Aちゃん⁉」
うっすらと目を開けたAちゃんの手を握るとゆっくりと握り返してくれた。
須「Aちゃん!わかる⁉俺だよ!」
俺が問いかけると小さく頷いてくれた。
須「Aちゃん…!」
慌ててナースコールを押すとあっという間に先生が駆けつけてくれて、Aちゃんはすぐに別室に移された。しばらく待っていると先生が出てきた。
須「先生、Aちゃんは…」
「大丈夫です。山は越えました」
須「よかった…」
そうだ、伊沢たちにも伝えないと。急いで電話をかける。
伊「はい」
須「伊沢」
伊「どうしました?」
須「Aちゃんが目を覚ました。もう山は越えたって…」
伊「ほんとですか⁉ちょ、今から行きます!」
15分ほどで他のメンバーも集まってくれてみんなで抱き合って喜んだ。うるさくしすぎてナースさんに怒られてしまったけど。
田「須貝!」
病院の方から連絡が行っていたみたいで、田村が息を切らして待合室に入ってきた。
須「田村…」
田「Aが、目を覚ましたって…」
須「ああ…ああそうなんだよ!たしかに俺の名前呼んでた!」
田「そっか…よかった…」
その後は先生から今後の詳しい話を聞いた。数週間様子を見て、回復する傾向が見られれば退院できるらしい。
田「まあとにかくよかったよ。じゃあ俺はもう帰るな」
研究の合間を抜けてきたらしい田村は足早に帰っていった。
伊「俺らも帰るか!」
いつもより晴れ晴れした気分で病院を出る。
須「はい!」
伊「ん?須貝さんどうしたんですか?」
須「俺…Aちゃんのこと好きだわ」
「「「「……………」」」」
こ「え?今更ですか??」
山「しっ!こうちゃん言っちゃダメ!」
須「え??え?」
ふ「まあ最近の須貝さん見てたらバレバレだよね〜」
河「あからさまに元気ないし」
川「無意識なのか知らないですけど空いたAのデスクチラチラ見てますし」
山「ため息も増えてましたし」
須「え、じゃあ俺だけ気づいてなかったの⁉」
伊「まあそうでしょうねぇ」
須「え、なにそれめっちゃ恥ずかしいんだけど…」
ふ「とにかく!Aちゃんが退院したら告白するなりなんなりすればいいでしょ」
須「告白…」
でも俺に告白する資格なんてあるんだろうか。Aちゃんが怪我をしたという事実が俺の中でもやもやと残り続けた。
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雪音(プロフ) - 悠任ーユウジンーさん» コメントありがとうございます!浜玲と絡めたお話書けて楽しかったです…!これからもちまちま更新していけたらと思ってるので気長に待っていただけたら幸いです(?) (2020年8月1日 17時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
悠任ーユウジンー(プロフ) - ゆーふぉ。さんのお話も追っていたんでめっちゃ面白かったです!最後の2人のやりとりが特に好きです笑。頑張ってください! (2020年8月1日 17時) (レス) id: 52402c6072 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - 流風 凛々葉さん» コメントありがとうございます!これからも番外編とか出せたらいいなと思ってるので気長に待っていただけたら嬉しいです! (2020年7月9日 12時) (レス) id: e88b8137a8 (このIDを非表示/違反報告)
流風 凛々葉(プロフ) - めちゃよき!面白かったです!! (2020年7月9日 8時) (レス) id: 329c17e7b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪音 | 作成日時:2020年6月22日 12時