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Aside
数日後、私とふくらさんの関係は変わった。
『すみませんふくらさん、ここなんですけど……』
「拳くん！これどうすればいいんだっけ？」
ふ「え？なに？……A、悪いけど河村に聞いてもらって良い？」
『あ、はい……』
ふくらさんは三上さんにつきっきりになってしまって、私は業務的な話ですらできなくなってしまった。元々プライベートで話すこともほとんどなかった私たちは、オフィスで話ができなければどんどん距離が離れてしまうわけで。
河「A、大丈夫？」
『河村さん……ここなんですけど』
河「違くて、気持ちの方」
『え……？』
河「無理しちゃ駄目だよ」
『……えへへ、気をつけます』
なんて返したら良いかわからなくて笑うと河村さんは悲しそうな顔をした。
河「A……やめなよ、それ」
『え？なにをですか？』
河「困った時とか辛い時とか、お前はいつも笑うよね。泣き喚くより大人かもしれないけど、いつかお前自身が壊れちゃうよ」
河村さんは「まあお前には優秀な片割れがいるから大丈夫だとは思うけどね」と付け足して私の隣の席に腰掛ける。
河「で、さっきふくらに聞いてたのどこ？」
『あ、ここなんですけど……』
河「ああこれね。大丈夫、このまま進めていいよ」
河村さんは某現場にいそうな猫の姿勢で「ヨシ！」と私を指差す。つられて笑うと河村さんは満足そうに「うんうん」と頷いた。
河「どうせ笑うならそんな顔で笑ってほしいね」
河村さんは「午後も頑張れ」と微笑んで伊沢さんのもとへ行ってしまった。
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年1月17日 19時
