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河村side
伊「ごめんねふくらさん。俺らからは言えない」
ふ「え……？」
敢えて「知っている」ことを匂わせておいて「でも言えない」と強調する伊沢。こいうもなかなかに良い性格してると思う。
伊「社員の個人情報だし………川上がね。会わせたくないって」
ふ「伊沢、お願い。なんでもする、川上にだって俺に脅されたって言っていい。だからお願い、教えて」
須「ちょっ、ふくらさん落ち着けって……！」
伊沢に掴みかかる勢いのふくらを須貝さんがなんとか抑える。しかしそんなふくらの懇願にも伊沢は頷かない。あいつの中にも会社の代表として、川上の友人として、そしてふくらの友人として、譲れないものがあるんだろう。
伊「………川上にね、泣かれたんです」
山「え……？」
こ「泣いたって……なんで…………」
伊「川上が泣きながら「俺と姉さんを解雇してください」って。「もう姉さんとQuizKnockを関わらせたくない」って」
ふ「っっ………」
伊「……もっとはやく行動してやれてたら……っ、あいつに、あんなこと言わせちまって………ほんと…さいてーっすよね…」
伊沢は目を押さえて俯く。口では軽そうに言っているが声は震えてるしなんなら今にも涙がこぼれ落ちそうだ。
河「僕と伊沢はAがどこにいるかも知ってる。でも言えないし言わない。それが2人への優しさだと思ってるしふくらたちへのケジメだと思ってる」
ふ「……河村」
河「なに？」
ふ「……もしよければ、Aに会ったら伝えて欲しい。『俺のことは忘れて幸せになって』って。『ごめんね』って」
河「………わかった」
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ……ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙ……
伊「あ……すみません。ちょっと席外します」
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作者名：雪音 | 作成日時：2021年1月17日 19時
